ワニに襲われ絶体絶命のヌー なんとカバが救いの手?
南アフリカ、クルーガー国立公園を訪れた観光客が、ワニにかみつかれているヌーの姿を目撃した。水を飲みにやって来たヌーが、水中から不意打ちされたのだろう。ヌーは逃げようともがくが、ワニの強力なあごはヌーの細い脚を離さない。
抵抗は8分近くに及び、ヌーは疲れを見せ始める。とうとうワニがヌーを水の中へ引き込み始めた時、2頭のカバが現れた。カバはワニに突進し、捕らえていたヌーを放させる。さらに、自由の身になったヌーを後ろから押して、陸に上がるのを手伝ったようにさえ見える。
カバは窮地にあるヌーを「助ける」ために駆けつけたのだろうか?
「おそらく違います」と話すのは、ナショナル ジオグラフィックが支援する研究者の一人、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校のダグラス・マコーリー教授だ。今回の救出劇は、ヌーが水しぶきを上げたことが刺激となり、カバが縄張りを主張する行動に出た可能性が高いという。映像のカバはヌーを「救助」したように見えるものの、実際には縄張りを荒っぽく主張していたと考えられるのだ。
残念ながら、ヌーは脚を折られてしまっているため、長くは生きられないだろう。
(日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック 2017年9月1日付記事を再構成]
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