何歳まで生きれば元取れる? 長寿女性にトンチン年金

「基本的な商品性は、保険料払込期間中の死亡払戻金や解約払戻金を払込保険料の7割程度に抑えて年金原資を増やし、一定年齢に達したら契約時に約束した年金額を受け取るという内容になっています」。加入年齢はいずれも50歳からなので、老後資金づくりに出遅れたという場合も十分間に合います。生保会社による年金の種類には確定年金もありますが、老後のフロー収入を確保するには終身年金です。ただしかんぽ生命の商品は終身年金ではなく、年金支払期間が最大30年の有期年金となっています。

女性は93~95歳より早く亡くなると「元本割れ」

トンチン年金は長生きするほど得になるわけですが、気になるのは何歳まで生きれば、払い込んだ保険料の元が取れるだけ年金がもらえるのかということ。「契約内容によりますが、平均寿命より数年先になります」。

表に挙げた例は、50歳で加入し、70歳で払い込み満了、年金受け取りを開始するという条件で試算したものです。この条件で元が取れる年齢は93~95歳。その前に亡くなると元本割れです。「それは納得できない」という人はこの商品は避けたほうがよいでしょう。

ただ、冒頭でも挙げた通り4人に1人は95歳まで生きる時代です。「ですから、長命の家系でご自身も健康であれば検討の余地があります」。100歳まで生きた場合の年金の返還率(年金受取累計額÷払込保険料累計額)は、表の例では120~130%程度で、長生きするほど返還率は上がっていきます。

もはや長寿は貯蓄ではカバーできないリスクに

そもそも保険は貯蓄では賄えない経済的リスクに備えるものですが「超長寿社会となり、老後の生活資金はもはや貯蓄だけでは賄えない経済的リスクとなりつつあります。その意味では一生涯、一定の年金額が確保できるトンチン年金は、70代半ば以降の老後の後半戦に備える手段として、有用な選択肢となると考えています」

特に女性は既婚者でも最終的には「おひとりさま」になる確率が高いので、老後の後半戦への備えは大事です。「シングル女性は50歳になったら、子育て中で今は余裕がないという人は退職金などで加入を検討するとよいでしょう」。現役中は月払いで加入して、定年時に退職金で残りの保険料を一括払いするという手もあります。今後、他社からもトンチン年金保険が発売されるかもしれないので、50歳未満の人もアンテナを張っておきましょう。

なお、各社とも年金受け取り開始年齢から一定の保証期間を設け、その間に死亡した場合、保証期間満了までの年金総額のうち未払い分を遺族に支払う仕組みになっています。保証期間が10年で年金受け取り開始から5年で亡くなった場合、残り5年分の年金が遺族に支払われるわけです。保証期間は各社によりますが、かんぽ生命の「長寿のしあわせ」は20年と長い設定なので、家族に一定のお金を残したい場合には選択肢になりそうです。

(ライター 萬真知子、構成 日経BPコンサルティング 「金融コンテンツLab.」)

[参考] 日経BPコンサルティング「金融コンテンツLab.」(http://consult.nikkeibp.co.jp/sp/money/)は、難しくなりがちなお金の話題を、分かりやすいコンテンツに仕上げることをテーマとして取材・情報発信に当たっている制作研究機関。月刊誌『日経マネー』編集部の在籍経験の長いベテランスタッフが中心となり、マネー系コンテンツを提供している。
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