握手会のニオイ問題 SKE48にマンダム「神対応」

日経デジタルマーケティング

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アイドルとファンの交流といえば握手会がつきものだが、意外な敵がいる。大人数が密集することで発生する不快なニオイだ。この問題をなんとかしたいと考えたSKE48のメンバー松村香織さんへの、マンダムの対応が「神」だと話題を呼んだ。デオドラント商品ブランド「GATSBY」を擁するマンダムは、松村さんとTwitterを介して即席のやり取りをして、急きょ、制汗スプレーを無償提供したのだ。SNS時代のマーケティングは、時にはこうしたスピードや柔軟さが求められる。

ファンの訴えからのツイートが波及

「握手会ありがとうございました。深刻な問題です。苦情が入りました。並んでいる女の子から、ニオイに耐えられないからどうにかしてほしいと。自分の体臭は自分じゃなかなか気づけません。メンバー含めて自分で気をつけないといけません!」

2017年8月19日、ポートメッセなごやで開かれた握手会を終えた松村香織さんのツイートが思わぬ広がりを見せた。数千人のファンが集結する夏の握手会会場は、空調が効いていても熱気がこもり、ニオイの問題も切実だ。この投稿は「AKB村」のみならず夏の炎天下で催されるコミケ界隈などにも波及しリツイート数は1万件を超えた。

松村さんの投稿は、「薬局などでゲットしよう」と続き、制汗剤の例として資生堂のデオドラントスプレー「エージーデオ24」と、「@COSME」で人気になっていた「デオナチュレ」の商品画像を上げていた。その後、ファンから「会場はスプレー缶持ち込み禁止」の情報を受け、エージーデオのロールオンタイプとGATSBYのデオドラントボディペーパーの画像を、例として追加した。

コラボ希望のツイートに即対応

翌20日は、ファンが注意したこともあり無臭の握手会が実現。これを定着させたいと考えた松村さんは「制汗剤やデオドラント商品と、ぜひともSKE48でコラボやキャンペーンしたいなぁ」とツイートした。

ニオイ問題を啓蒙してきたマンダム

これに乗ったのがマンダムだった。翌週の握手会会場に、「パウダーデオドラントスプレー 無香性」を各握手レーンに行き渡るよう25本、「アイスデオドラントボディペーパー無香料」30シート入りを160個(=4800枚)、「48」との語呂合わせで商品提供した。

「GATSBY製品 マンダム様より御提供頂きました。サンプル無料配布中」と書かれた会場の掲示をSKE48のTwitterアカウントが写真投稿し、松村さんもリツイートしたことで、一連のニオイ問題が1週間で大きく展開したことが知られ、驚きとともにマンダムの対応を称賛する声が上がった。そしてネットニュースが記事化し、ニュースアプリに転載という拡散コースにも乗った。

機を見るに敏な対応で好感度を上げた

実は松村さんが前週、GATSBYのボディペーパーを例示した際、GATSBYのTwitterアカウントがこれを引用して喜びの顔文字を投稿し、松村さんはそれに「SKE48とぜひともコラボしてください」とリプライしていた。話題を察知し、軽妙なコミュニケーションを図っていたことが、マンダムの称賛される即断につながった。

(日経デジタルマーケティング 小林直樹)

[日経デジタルマーケティング2017年10月号の記事を再構成]

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