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フラットな組織は「私服」が似合う 自由が育む創造性 マニュライフ生命の「装い改革」(上)

2017/10/29

オフィスにはリラックスした雰囲気が漂う(東京・新宿のマニュライフ生命本社)

外資系のマニュライフ生命保険が社員にカジュアルウエアでの勤務を推奨している。金融機関らしく長い間、男性社員にはスーツにネクタイというルールがあったが、2015年に男女とも「私服」を認めるドレスコードを導入した。社内でモデルを公募して着こなしの研修を行うなど、社員の意識変化を促す活動にも乗り出している。「装い改革」に取り組む最大の目的。それは、生産性の向上だ。




5月中旬、東京・新宿にあるマニュライフ生命の本社でファッションショーが開催された。モデルは社内公募で選ばれた男女2人ずつの社員だ。事前にコーディネートの専門家にアドバイスを受けて購入したカジュアルな服装を着用。社員が集まった会議室で、思い思いにポーズを取った。

ショーは「オフィスにふさわしいカジュアルの着こなし方」をテーマとする社内研修の一環だ。研修の運営ではアパレルのギャップジャパン(東京・渋谷)の協力を得た。モデルの社員の「ビフォーアフター」の変化を実際に見せながら、講師が着こなしのポイントを丁寧に説明していった。

この日は「デニムカジュアル」が研修のテーマだった。ノータイにスラックスという一般的なビジネスカジュアルに比べても、さらにラフな印象を与えるファッションだ。動きやすいジーンズのパンツやジャケットを着用しながら、なおかつオフィスにふさわしい清潔感のあるスタイルを保つための基礎知識を社員らは学んだ。

ショーにはオーストラリア出身のギャビン・ロビンソン社長も登場した。「何人もの人が僕を取り囲んでコーディネートしてくれて、ロックスターになったような気分だった」。事前にギャップジャパンの店舗で服を買いそろえた体験を聞かれ、うれしそうにこう語った。

■装いの自由化が対話を促す

カナダに本拠を置く国際金融サービスのマニュライフ・グループは、北米、アジアの国・地域にある拠点すべてで15年4月、カジュアルウエアでの勤務を可能とするドレスコードを一斉に導入した。金曜日に限りジーンズでの勤務も認めた。狙いは生産性の向上だ。「顧客のニーズの変化に素早く対応するため、効率的に新しい仕事の仕方を取り入れることが重要だ。服装にも多様性や柔軟性を持たせることは既成概念にとらわれない発想や協力的な関係を促す。さらに、業務の効率性にもつながると考えた」と同社人事部の榊原都マネージャーは説明する。

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