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こんにゃく七変化 煮物に限らず唐揚げ、肉風、甘味に

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NIKKEI STYLE

おでんに煮物に……寒くなってくると恋しくなる、おいしくなるのがこんにゃくだ。低カロリーで食物繊維が豊富と、ヘルシーな食材として知られるが、なぜカロリーが低いのか、ぷるぷるとした個性的な食感はどのようにして作られるのか……よく知らぬまま食べている人も多いだろう。

こんにゃくの原料はこんにゃく芋と呼ばれるサトイモ科の植物の球茎。芋とはいえ、そのままかじると口の中がピリピリするほど強烈なエグミがあり、そのまま食べることはできない。芋を砕いて乾燥した後、遠心分離器でグルコマンナンという物質とでんぷん質に分離させ、グルコマンナン質に水を加えてこんにゃくを作る。ジャガイモやサツマイモなどはデンプンを食べるものだが、こんにゃくの場合はデンプンは捨ててしまい、グルコマンナンだけを食べる。

固まると、おなじみのぷるぷるとしたこんにゃくになる。デンプン質を除去してしまうため、芋が原料にもかかわらず、低カロリーなのだ。

ご存知の通り、主産地は群馬県。農林水産省の統計(平成27年度)によると全国の生産量のうち92%が群馬県に集中する。

こんにゃく芋は、病気に弱くデリケート。そもそも出荷するまでに、植えて冬の間は掘り出してを繰り返して、出荷できるまでに3年もの年月がかかる。年間平均気温13度以上でないと育たないとされ、強い日光や風、干ばつにも弱い。一方で水はけの良さも必要だ。そうした諸条件が、群馬の気候とマッチ、逆にそれ以外の場所では手間のかかるこんにゃく芋の生産に積極的ではなかったという訳だ。

かつては生芋からこんにゃくを作っていたが、江戸時代に原料を粉にして貯蔵する技術があみだされ、これによって芋の収穫時期に関係なく、通年でこんにゃくが作れるようになった。

家庭用に調合された粉もあり、自宅でこんにゃくを手作りすることもできる。

ボウルに水を入れ、こんにゃくの粉を入れてよくかき混ぜる。かき混ぜてとろみが出てきたら、丸めるかお玉などですくって沸騰したお湯の中に入れる。30分ほどゆでて、中心部に箸を刺し、火が通ったことを確認できればできあがりだ。

水で冷やせば、できたてをおいしく食べられる。

実はこうしたこんにゃくの成り立ちや作り方、おいしい食べ方を紹介する施設が、今、人気を集めている。群馬県甘楽町にある「こんにゃくパーク」だ。

こんにゃくメーカーのヨコオデイリーフーズの工場を兼ねた施設で、工場見学はもちろん、こんにゃくづくり体験、様々なこんにゃく料理の試食も可能で、土日ともなれば関東一円から大勢の観光客が訪れる。

まずは工場をのぞいてみよう。こんにゃくはさっき体験したように粉に水を加えて凝固のために加熱することで簡単に作れる。興味深いのは、製品ごとの成型方法の違いだ。

粉に水を加えて原型を作るまではほぼ一緒。それが板こんにゃくなら、板状のパッケージに封入してから湯通しする。一方、しらたき=糸こんにゃくは、水で練った粉を、シャワーヘッドのような形をしたチューブの先から直接の湯の中に射出する。「シャワーの水」が途切れるまで、延々と長いしらたきができあがる。これを後でカットして袋詰めする。

おでんなどに使う結んだしらたきはこうしてできたしらたきを結ぶのかというとそうではない。機械で結ぶためには1本1本のしらたきがそろってきれいに束ねられた状態にしなくてはならない。そこで先ほどの「シャワーヘッド」の穴ではなく、細くスリットが入ったノズルに換えてやることでトイレットペーパーのように長い布状のこんにゃくができあがる。これを手前にカッターがついた機械に入れると、細長くカットしてから瞬時に結ぶことができる。

また、こんにゃくには白いものと黒いものがあるのはご存じだろう。もともと生芋を使ってこんにゃくを作っていた時代は、芋の皮などが入り、それが所々に黒い小さな斑点を作り出していた。しかし粉にするようになってからは、粉をそのまま使えば白いこんにゃくができるようになった。現在の製品は、本来白くなる、粉から作るこんにゃくが大半だ。

実は、ここに市場の地域性が深く関わっている。関東や東海、関西以西ではこんにゃくと言えば黒いこんにゃく。一方で、北海道・東北・北信越では白いこんにゃくが一般的だ。雪が多い地方は、こんにゃくも白くなるとこんにゃくパークの方から教えていただいた。現在では、粉から作る本来白くできあがるはずのこんにゃくも東日本向けには海藻などを入れて着色しているという。

地域性と言えば、東ではしらたき、西では糸こんにゃくと呼び名が変わるのもご存じだろう。そもそもしらたきは、工場のシャワーヘッドのように湯の中で射出して作るもの、糸こんにゃくは工場の結びしらたきのように、糸状にカットしたものと区別されていたが、現在はどちらも同じ製法で作ったものを、東日本にはしらたきで、西日本には糸こんにゃくの製品名で出荷しているという。

さらにもう一つ。こんにゃくは野菜の成分と反応して色が変わるのだ。色を加えない北海道・東北風の白いこんにゃくを買うとわかりやすいという。ゴボウと合わせると緑に、サトイモと合わせるとピンクに、タマネギと合わせると黄色に発色するという。

粉からこんにゃくを作ったり、それに色を加えてみたり、さらにはフルーツゼリーを自分で作ってみたりと、展示で解説するだけでなく、オプションで、そうした「こんにゃくの不思議」を実体験することもできる。

最大のお楽しみはこんにゃく料理の試食だ。無料で様々なこんにゃく料理を試食できるとあって、昼食どきには順番待ちの大行列ができる。

こんにゃくパークのおすすめはラーメン。歯に触る食感でこんにゃくと分かるが、味や香りは中華麺そのものだ。炭水化物の小麦と違い、でんぷん質を取り除いたこんにゃくなので、比べものにならないほどの低カロリーだ。

試食したのはしょうゆ味のスープだったが、製品には辛味噌ラーメン、カレーうどん風などもあり、こんにゃく麺をバラエティー豊かに食べられる。

そしてレバ刺し風こんにゃく。レバーの刺し身は、ご存じの通り、衛生上の問題でほとんど食べられなくなった。それでもあのうまさが忘れられないという人は多いはず。そもそもレバーを生で食べると、こんにゃくに近いつるっとした食感があった。そんな食感を生かして、イカスミなどを使ってレバーの風味と色を再現した。

ごま油に塩を入れて食べると、まさに懐かしいレバ刺しの味がした。

このレバ刺し風こんにゃくを使ったカレーもあった。肉のような味わいはカレーにもぴったりだ。

同様にこんにゃくの食感を応用した製品に「秘密のタコさんこんにゃく」がある。こんにゃくの歯ごたえをさらにしっかりさせたもので、これにだしを含ませて唐揚げにするとたこの唐揚げ風になる。いいビールのつまみだ。

王道は味噌田楽だ。ちょっと甘めのオリジナルの田楽味噌をたっぷり塗って、こんにゃくが本来持つ味わいを楽しむ。

試食した製品は、隣接する売店で買って帰ることもできる。スイーツとしてきなこをかけて食べる食べるくずきりやフルーツゼリーもある。

こんにゃくが好きな人はもちろんだが、子どもから大人まで、こんにゃくを味わうだけでなく、楽しくこんにゃくと触れ合えることができる施設だ。

(渡辺智哉)

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