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なやみのとびら、著名人が解決!

80代でボランティア、もうやめるべき? 著述家、湯山玲子さん

NIKKEIプラス1

2017/10/12

著述家、プロデューサー。東京都生まれ。「女装する女」など著作多数。クラシック音楽のイベント「爆クラ!」を主宰。テレビのコメンテーターとしても活躍。

 長年、地域でボランティアをしていますが「一文の得にもならないボランティアなんかやめとき」と言う友人がいます。84歳なのでもうやめるべきでしょうか? 体は時々疲れます。(兵庫県・80代・女性)

 少子高齢化社会は、老後の生き方を大きく変えました。

 先日、古本屋で70年代後半の若者雑誌をめくっていたのですが、ギターをステージでぶち壊すシワシワのおじいちゃんロック集団のパロディーマンガが掲載されていていました。当時は「あり得ない」と笑ったわけですが、今や、そんな姿は想像の範囲内。余生をのんびりというよりも、生涯現役、つまり社会とかかわり続けることの方が輝いて見える、という空気は既にでき上がっています。

 長年地域でボランティア活動を続けてすでに84歳だという相談者氏は、そういった意味では老年期の生き方の理想型。ボランティアは無償ですから「おカネにならんのにようやるわ」という声は、きっと昔から言われていたでしょうに、それがなぜか気になり、やめようかどうかとお悩み中のご様子。

 はっきり言いましょう。それは、飽きたからです。ボランティアは無償の行為なので、あらかじめ参加者は「お互い無理のない範囲内で」という暗黙のルールのもとでそれを行います。

 するとその活動は自然と安定的かつ固定的なものになってしまいがち。ということは、相談者氏のホンネは「やりがいはあるけれど、もうあんまり面白くない」ということではないか。

 ならばどうするか。ひとつは活動をいったん休止して、お友達と温泉に行くなど「自分を楽しませる遊び」に費やしてみてはどうか。日本人女性の一部に根深く存在する「自分の欲望をかなえるのはわがままで、人の役に立ってこそ女性の本懐」というセオリーを捨てて、人生を楽しむことにエネルギーを注入してみる。その「自分の楽しませ方と快感記憶」は、ボランティアに戻った後に必ずや「楽しみ」という点で活動に変化と深みをもたらすはずです。

 ボランティアの枠を広げ、創造的にコミットしてみるのもアリでしょう。友人の母親はやはり80歳超えですが、自ら幹事になりいろんな人のお誕生日会という名目で店を予約して、同年代のお友達を誘ってパーティーをしています。見ず知らずの他人同士も彼女のもてなしで仲良くなって、感謝されているとのこと。これも立派なボランティア。挑戦あるところに刺激と喜びあり。それは人間、健康に生きている限りは変わらないと思うのです。

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[NIKKEIプラス1 2017年10月7日付]

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