「太っている人の汗は臭い」はウソ・ホント?

日経Gooday

正解は、(1)ホント です。

太っている人は体臭がきつい――。口には出さなくても、そう感じている人は多いのではないでしょうか。一般に、太った人は暑くなると大量に汗をかきますし、なんとなく体臭が強そうなイメージがあります。

太った人やメタボの人は体臭が強くなる

実際、それは気のせいではないようです。ワキガ(腋臭)や体臭対策に詳しい五味クリニック(東京都新宿区)院長の五味常明さんは、「太った人やメタボ(メタボリックシンドローム)の人は、確かに体臭が強くなります」と話します。

汗の原料は血液です。汗腺は血液をろ過し、薄めた血漿(けっしょう)を汗として出しています。五味さんは、「放置しておくと雑菌が繁殖して『汗臭さ』が出てきますが、かいた直後の汗自体は無臭なんです。ところが、中には最初から臭い汗を出す人もいます」と話します。実は太った人の体臭は、いくつかのにおい成分が混ざったものだそうです。

若くても太っていると「加齢臭」が

体臭の原因はいくつかあります。1つ目は「加齢臭」です。一般に年を取るほど発生量が多くなりますが、若くても出る人もいるそうです。その原因は皮脂腺の中の「9-ヘキサデセン酸」という脂肪酸が酸化されてできる「ノネナール」という成分です。

五味さんによると、「太った人やメタボの人は若くても加齢臭が強い」そうです。ノネナールは脂肪酸が酸化されてできるので、メタボになって体内の脂肪や活性酸素が多くなれば、それだけできやすくなるのです。

2つ目は、疲れていると出やすくなる「疲労臭」で、アンモニアのにおいがします。アンモニアは腸内や筋肉でたんぱく質が分解されるときに発生しますが、通常は血液に入って肝臓に運ばれ、無臭の尿素に変えられます。ところが疲労がたまっていたり、肝臓が弱っていたりすると、処理しきれなかったアンモニアが汗に混じって出てくるのです。肥満の人は運動不足の傾向があり、少しの運動でも疲労がたまりやすいので、疲労臭が強まります。

いくつかのにおいが混ざると不快なものになる

3つ目は、30~40代の男性に多い「ミドル脂臭」です。

通常、筋肉は酸素を使ってエネルギーを作りますが、全力疾走など激しい運動をしているときや、疲れがたまっているとき、血行が悪いときは、酸素を使わずにエネルギーを作り、その副産物として乳酸ができます。血液中に乳酸が多くなると、汗に混じって出てくるようになるのです。この乳酸を皮膚の上にいる細菌が分解してできるのが「ジアセチル」。これがミドル脂臭の原因物質で、「古くなった油のにおい」などと形容されます。五味さんによると、このにおいも肥満で疲れやすい体質だと強くなりやすいそうです。

4つ目は、糖尿病の人に独特の甘酸っぱい体臭で、これはケトン体のにおいです。「インスリンの働きが悪くなることで血液中に遊離脂肪酸が増え、これがケトン体になる。腐ったバナナのようなにおいです」と五味さん。

実は、最初に説明した加齢臭の原因となるノネナールは、単独ではそれほど臭くないのだそうです。ところが、「アンモニア、ジアセチル、ケトン体など、他のにおいと混じることで不快なにおいになるんです」(五味さん)

におい対策はメタボ対策

では、どうすれば臭いを抑えられるのでしょうか。

臭い汗を出さないためには、まず疲れやストレスをためないようにしましょう。「ノネナールは体内の活性酸素が多い人ほどできやすい」(五味さん)ので、暴飲暴食を控え、ビタミンC、E、カテキン、イソフラボンなどの抗酸化成分を積極的にとることを心がけるといいようです。さらに、汗腺機能を高めてサラサラした清潔な汗をかくためには、日頃から運動で積極的に「いい汗」をかくことが大切になります。結局のところ、体臭対策は食事、運動、睡眠になるようです。

「におい対策はメタボ対策。健康であれば、そうそう不快なにおいなど出さないはずなんですよ」と五味さん。暑い季節は体臭が気になります。自分のにおいが気になる方は、本気でメタボ対策に取り組んでみることをお勧めします。

[日経Gooday 2017年9月4日付記事を再構成]

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