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有森裕子 痛みが生じたらまず治療、次に上体の筋トレ

日経Gooday

2017/9/28

「痛みがあるときは、走らず痛みをとる」が鉄則(C) avemario-123rf
日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

 今年は厳しい残暑もあまりなく、あっという間に秋らしい気候になってきましたね。いよいよ走るには気持ちのいいシーズンがやってきます。大会に備え、気合いを入れて練習されている方や、涼しくなってきたからランニングを再開しようと考えている方などさまざまでしょう。日本の素晴らしい紅葉を満喫しながら、楽しく走ってもらえればいいなと思います。

 ランニングシーズンの到来に合わせ、今回から数回に分けて、読者ランナーの皆さんから寄せられたランニングの悩みにお答えしたいと思います。

 たくさん頂戴した中でも特に多かったのは、痛みについてのお悩みです。例えば、下記のようなご相談です(編集部注:質問の文章には一部編集を加えています)。

【50代男性(会社員)】
ランニング歴:5年 ベストタイム:3時間38分(フルマラソン)
 私は47歳でマラソンを始めてから、フルマラソンを3時間を切るタイムで走る「サブスリー」を目指してトレーニングを続けてきました。現在、スマートフォンのランニング用アプリを利用し、目標タイムを3時間30分に設定してトレーニングに取り組んでいます。しかし、スピードを上げる練習をすると膝が痛くなり、思うように練習ができません。膝の痛みを防ぐには、どのようなトレーニングを追加すればいいでしょうか。

■「痛いときは練習しない」が鉄則!

 目標がサブスリーなんて、日本の市民ランナーのレベルは上がったなあ、とつくづく思ってしまう内容です。さてご質問の内容は「膝の痛みを取るための練習について」ですが、まず私がこの相談者にお伝えしたいのは、もし今も痛みがあるのなら、「今すぐ走るのをやめて、休養したり治療を行ったりして、痛みをとってください!」ということです。

 「脚に痛みがありますが、どうしてもこの大会に出たくて……」というご相談も多いのですが、同じことを申し上げたいです。せっかく当選した大会だから出場したい、あるいはベストタイムを更新したいから練習を休みたくない、と思う気持ちは分かります。でも、痛みがあるということは、デメリット以外の何物でもありません。五輪の代表権をかけた選考会に出場するランナーではないのですから、痛みを取ってから練習を再開する。これが鉄則です。このことを踏まえた上で、順を追ってやっていただきたいことをご説明したいと思います。

■痛みの原因を自分で考え、医者任せにしない

 まず痛みが生じて治療に行く前に考えてほしいのは、どんな練習をしたら痛くなるかです。この相談者であれば、インターバル、ビルドアップ、タイムトライアル、ダッシュといったように、いったいどのスピード練習をすると痛みが出るか。また、どんな風に走ると、どこにどんな痛みが生じるのかを、自分の口で医師に説明できるように分析しましょう。

 サブスリーを目指すレベルのランナーであれば、ただ「痛い」と言って医師任せにするのではなく、自分の体や走り方を理解しようとする意識は持っていたいもの。でなければ、もし痛みが治まったとしても、また同じ練習をすれば痛みが再発し、いつまでたっても、サブスリーに到達できるような練習はできません。

 文字だけのお悩み相談でもどかしいのは、私が相談者の実際の走り方を見られないことですが、走り方一つにしても、足首や足裏がどんな角度で着地をしているか、上体がどんなフォームになっているかなど、一人ひとり違います。スピードを上げると痛みが出るということは、思いきり力を入れたときにフォームや左右のバランスが崩れたり、足の着地の仕方に癖が表れたりしている可能性が考えられます。その原因を探るべく、シューズの裏の減り具合を確認し、足裏のどの位置で着地をし、膝が内向き、あるいは外向きになっているといった、自分の動きを確認して分析するのも一つの手です。

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