「(美紗子を)演じるにあたって準備したモノは、今回はほとんどありません。役作り自体もどうこうできるものじゃなかったので、衣装合わせや撮影現場で『こうしていこう』と方向性を決めるだけ。

この作品には過去パートと現代パートがあって、私が演じたのは、過去のほう。だから衣装は、昭和寄りのロングコートや、ちょっとレトロなワンピースです。メイクは、薄く塗れて、ほとんど化粧をしてないように見える、スプレータイプのファンデーションを使っています。あまり『生きたい』という性(サガ)を感じさせない雰囲気にしたかったから、髪もそのままのストレートです。

最近はテレビのお仕事が多かったこともあって、こういう重いテイストの映画は久しぶり。私はもともとこっちから始まったし、やったことのない役柄でもあったので、すごくひかれるというか、お話があったときはぜひ挑戦したいと思いました。

映画『ユリゴコロ』では初めて殺人者を演じた (C)沼田まほかる/双葉社 (C)2017「ユリゴコロ」製作委員会

実際に演じてみて、昔と変わった部分も変わらない部分もありましたけど、やっぱり自分はこういう引きずられるようなテイストのもののほうが好きなのかなとは感じましたね。あと、ちょっとぬれ場みたいなシーンがあるんですけど、『ああ、何年たっても、いくらやっても、傷つくな』と。

美紗子がどういう人かというのは、説明が本当に難しい。それまで知らなかった愛情を知ってから、うれしいとか寂しいとか怖いとかを感じるようになって、自分の『生きたい』という性にも戸惑いながら過ごしていく。サスペンスでもミステリーでもありますけど、最後はラブストーリーに目を向けてもらえたらうれしいですね」

自分が死んでも作品は残るから

美紗子は、幼い頃に出会ったミルク飲み人形をよりどころとして成長していく。吉高さん自身にも、よりどころとしてきたモノはあるのだろうか。

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