フースーヤ 「よいしょっ!」のギャグ漫才で勢いづく
芸歴2年目のお笑いコンビ・フースーヤが絶好調だ。「ナッシングトゥーマッチ!」「オーマイゴッドファーザー降臨!よいしょっ!」と、語感のよいナンセンスなギャグフレーズを矢継ぎ早に挟み込む漫才で注目を集めている。
2016年12月に『新しい波24』(フジテレビ系)でテレビ初出演し、ナインティナイン岡村隆史ら出演者たちに大ウケ。以降、各局バラエティーのほか、『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)でドラマ出演も果たすなど、ハイペースなメディア露出で勢いをつけてきた。
出会いは高校時代。2年生のときに同じクラスになり、芸能界に憧れていた田中が、お笑い芸人志望だった谷口を誘い、コンビ結成。共に同じ大学に進み、4年生のときに吉本総合芸能学院(NSC)大阪校に通い始め、プロとしての第一歩を踏み出した。
中学、高校の頃はネタ番組全盛期だった。「『笑いの金メダル』『エンタの神様』『爆笑レッドカーペット』と、ネタが見られる番組は全部見てました」(谷口)、「高校のときはジャルジャルさんのマネをしたり、NSC時代はナイツさんの影響で、聞き間違いや言葉遊びを取り入れた漫才をやっていました」(田中)とルーツを明かす。
今やどこでも求められる「よいしょっ!」のギャグ漫才が生まれたきっかけについては、こう話す。「最初は漫才のつかみとして『ナッシングトゥーマッチ』だけだったんです。そこに僕がポロッと『オーマイゴッドファーザー降臨』」(田中)と付け加えて。「それだけだと2人ともボケになってしまうので、これを自分らで落とさないとダメということに気がついて、ライブの本番前に『よいしょ』って入れてみようかと。やってみたら会場がドカンと沸いて、来たー!と(笑)。革命的なギャグができたと思いました」(谷口)
この漫才で『新しい波24』のオーディションを通過し、番組出演を経て人気に火が付いた。
SNSなどで「ネタが意味不明」と叩かれることもあるが、「こっちも意味なんて分からないですから(笑)」と谷口。田中も「意味なんて考えないで、感じてください、と言いたい。万人受けするためにやっているわけではないから、好きな人に見てもらえれば」と全く動じない。
谷口には芸人に対する強烈な思い出がある。「昔、親がケンカしていたとき、テレビに映った芸人さんのネタで2人同時に笑ってケンカが収まったことがあるんです。それを見て芸人さんってすごいと思って。僕もそうなりたい」(谷口)
「見てると元気になる芸人になりたいという思いは田中も同じ。あと、『これをやらせたらフースーヤが一番面白い』と言われるようにも」(田中)
今はまだバラエティー番組の出演歴も1周目。これからの活躍に期待したいフレッシュなコンビだ。
(「日経エンタテインメント!」9月号の記事を再構成。敬称略。文/遠藤敏文 写真/中村嘉昭)
[日経MJ2017年9月15日付]
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