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O157はポテサラ、肉だけでない 過去に生野菜でも

2017/9/13

O157がどのようなルートでポテトサラダに混入したのか、9月11日時点で感染源はまだ分かっていない(C)nutria3000-123rf
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 埼玉県と群馬県の総菜店で販売されたポテトサラダを食べた人が腸管出血性大腸菌O157に感染した、という集団食中毒に関するニュースが2017年8月21日以降、新聞やテレビで取り上げられました。

 O157は、ヒトに感染して下痢などを引き起こす病原性大腸菌のうち腸管出血性大腸菌に属する細菌で、重症の食中毒を引き起こしやすいことが知られています。20年以上前に、大阪府堺市で発生した、小学校の給食を介したO157の大規模食中毒をご記憶の方も多いでしょう。

 O157感染を防ぐためには、まず、敵を知る必要があります。その上で、どう行動すればよいのか、考えてみましょう。

■今回の事例の概要:複数店のポテトサラダからO157検出

 この総菜店の系列34店で販売されたポテトサラダは、8月5~7日に加工工場で、ジャガイモ、人参、玉ねぎ、キュウリ、キャベツを使って製造され、総菜店の各店舗に冷蔵配送されました。個々の店舗は、7日と8日に、ハムまたはリンゴを追加して、量り売り形式で販売しました。

 発覚のきっかけは、埼玉県の店舗でこの製品を購入して食べた、4歳から60歳までの計8人が下痢や腹痛などの症状を訴えたことでした。保健所が調べたところ、このうち6人からO157が検出されました。当初は、4歳の男児、60歳の女性が重症で、5歳女児は溶血性尿毒症症候群(HUS)[注1]を発症して意識不明、と報道されましたが、その後、快方に向かっていると発表されました。

■焼肉、ピザ店…外食でも次々とO157感染が判明

 このケースとは別に、横浜市の焼肉チェーン店を7月30日に訪れ、食事をした2グループの客のうち、10歳代の女性と80歳代男性が、8月3日に下痢や発熱などの症状を訴えていたことも分かりました。検査したところ、O157が原因と判明。2人は一時入院していましたが、その後回復し、8月23日時点で女性は退院済みでした。

 また、埼玉県川越市によると、市内のピザ・パスタチェーン店で、8月11日、12日に食事をした18~77歳の男女7人が腹痛や下痢を訴え、全員からO157が検出されています。

■「カイワレ」が疑われた堺市での集団感染、感染源は結局不明

 冒頭でも触れましたが、O157は20年以上前の1996年7月に、大阪府堺市で小学校の給食を介した集団感染を引き起こしています。この事例では、7月12日の夜中に発症者が現れ始め、14日に下痢や腹痛の原因はO157であると判明しました。7月23日に10歳女児、8月16日に12歳女児がHUSにより亡くなりました。

 堺市がまとめた調査結果[注2]によると、学校給食による大腸菌O157の感染が確実であると判断された患者は計9492人、検査によりO157感染陽性と確定したのは1889人、入院した患者は791人で、121人がHUSを発症し、1年以内に計3人の小学生が亡くなりました。

 集団感染から20年を経た2016年になって、犠牲者は4人に増えました。当時HUSを発症し、後遺症の腎性高血圧の治療を受けていた女性が、脳出血により死亡したとのことです。現在もほかに4人が、後遺症に対する治療や経過観察を受けています[注3]

 一時は、給食に入っていたカイワレ大根が感染源だといわれましたが、濡れ衣でした。大規模な調査が行われましたが、結局、原因は不明のままです。

■O157は少ない菌でも感染しやすく、毒性が強い

 O157の特徴は「毒性が強い」「(口に入った菌の個数が少なくても)感染しやすい」「すぐには症状が出ない(3~9日後に発症)」であり、感染経路は「直接感染」と「二次感染」です。堺市の集団感染の時にも、小学校に通う子どもと同居していた家族が感染しています。富山県のサイト[注4]が分かりやすくて秀逸です。

 子どもや高齢者は、重症化しやすく、HUSを発症する危険性が高く、HUSになると、死亡する人や後遺症が残る人が出てきます。

 重要な問題は、感染しても発症しない人がいる、という事実です。本人は全く健康であるにもかかわらず、便にはO157が存在しているため、気づかぬうちに周囲に感染者を増やす危険性があります。

 季節的には、O157感染症は、6月頃から増え始め、8月と9月に最も多くなり、それ以降減少します[注5]。ただし、冬でも患者は発生しています(下図)。

(感染症発生動向調査による) [画像のクリックで拡大表示]

 さらに詳しく知りたい場合は、厚生労働省の「腸管出血性大腸菌Q&A」[注6]をご覧ください。

■外食や総菜からのO157感染はどうすれば防げる?

 総菜や外食でのO157感染は、回避することはほぼ困難です。リスクを減らす方法があるとしたら、O157による食中毒が多い季節は、特に子どもと高齢者は、購入した総菜を食べることを避け、外食も控えることでしょうか。

[注1]HUS(hemolytic uremic syndrome):溶血性尿毒症症候群。O157感染が引き起こす重症合併症で、赤血球の破壊による貧血、出血を防ぐ血小板の減少、急性腎不全などが生じる。脳に症状が現れて、けいれんや意識障害が起きることもあり、最悪の場合、死に至る。

[注2]堺市学童集団下痢症報告書「腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒の概要」2.患者数

[注3]日本経済新聞2017年8月28日(月)「O157後遺症で女性死亡 大阪・堺市の集団食中毒」

[注4]富山県 新川厚生センター「腸管出血性大腸菌O157について」

[注5]神奈川県衛生研究所「腸管出血性大腸菌による食中毒に注意しよう」

[注6]厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」

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