裂けない開かない取られない 防犯仕様のリュック

日経トレンディネット

Korin Design「Click Pack Pro」(2万4800円)。グレー部分は切りつけられても大丈夫な素材でできている
Korin Design「Click Pack Pro」(2万4800円)。グレー部分は切りつけられても大丈夫な素材でできている
日経トレンディネット

バックパックは案外無防備だ。後ろからナイフなどで切られたら中のものが出てきてしまうし、そっとファスナーを開けられても気がつきにくい。背中は見えないのだから仕方がないが、それだけに防犯対策は考えておきたい。その辺りを徹底的に考えたうえにさまざまな機能を付加したのが、米カリフォルニア州のデザイン会社であるKorin Designが手がけた「Click Pack Pro」だ。

特徴的な外側のグレー部分は高分子ポリエチレン(60%)、極細ポリエステルファイバー(30%)、軍用レベルのグラスファイバー(10%)で構成された防刃素材。国内で販売を手掛けるアピロスの社内試験ではカッターナイフで11回切りつけても切り裂くことができなかったという。これで、まずは背中の無防備さを狙われても気がつかないということはなくなる。また、はっ水加工してあるので、生活防水レベルで内部を雨などから守れる。

バックパックなのでフレーム付きのスーツケースのようなロック機構ではなく、開閉はファスナーだが、メインコンパートメントのファスナー用ロックも搭載。米国で開発された製品らしくTSAロックになっているので、空港で施錠したまま荷物を預けることも可能だ。さらに、カバンを柱などにつないでおけるワイヤーロックも装備している。TSAロックとワイヤーロックの組み合わせで、少し遠い位置に荷物置き場がある交通機関や、1人でセルフサービスのカフェに入るときも安心だ。

ファスナーの金具をロックするスタイル。TSAロックなので米国旅行も安心
ワイヤーロック用のワイヤーも内蔵。柱などにくくり付けることができる

ファスナーにはYKKの不正開閉防止ファスナーを採用。表裏二重構造になっていてこじ開けに強く壊れにくいのが特徴。しかも開閉はスムーズで、引っ掛かりにくいので扱いやすい。さらに、電波防止ポーチも付属していて、外部からのスキミングに対しての備えもある。上下左右と中央下部には100m先からも視認可能なリフレクターも装備。夜間歩行の安全も配慮されている。これだけの防犯対策を装備したバックパックはなかなかないだろう。

IT系の装備も驚くほど充実

バックパックは、柔らかいベルベットの内装で15.6インチまで対応するパソコン用ポケットや、内蔵バッテリーに外部から接続できるUSB端子、デジタルガジェット用ポーチなど、IT系の装備も十分。パソコンやタブレットなど、盗まれたり壊したりすると被害が大きくなるものほどこのバッグに入れて持ち歩きたいのだから、この構造は理にかなっている。充電時にわざわざかばんを開けずに済むのも防犯対策の一環としてうなずける。デザインもそうだが、全体にIT系ビジネスパーソン向きに作られていると感じる。

メインコンパートメントの背中側にはパソコン用のポケットを装備。ベルベットの内装でパソコンやタブレットを優しく包む。この下に外部につながるケーブルを備えた内蔵バッテリー用のポケットがある
このUSB端子が内蔵バッテリーとケーブルでつながっている。内部のポケットにバッテリーを入れてケーブルをつなぐと、ここから充電できるのだ

ペットボトルや傘を収納するポケットは側面のファスナーの中に用意されていて、必要に応じて引っ張り出して使う。固定用のベルトも付いているので、多少長めの折り畳み傘でも安定して収納可能。また、ストラップの胸辺りの場所は右側がファスナーポケット、左側がオープンポケットになっていて、ICカードやサングラスなどを入れられる。さらに、背中に接するパッドの一部もファスナーポケットになっていて、貴重品などを入れておける。

サイドのファスナーを開くと、ペットボトルや折り畳み傘が入れられるポケットが現れる。必要に応じて出し入れできるのがよい
背中に当たるクッションの下部にも隠しポケットがある

ストラップは肩にフィットしやすい柔らかな素材で、背中のフィット感とともに背負ったときの感じがよく、多少重い荷物でも疲れないし、かなり軽く感じさせてくれる。内部で荷物が動かないように細かいポケットやポーチ、固定ベルトなどがうまく配置されているのも、背負ったときの快適さにつながっているのだろう。容量は17.3L、重さは1289gと、機能のわりに軽くて大容量。上部についたハンドルは手さげとしてだけでなく、キャリーケースのハンドルに差し込むこともできる構造になっているのも面白い。

メインコンパートメントには着脱できるポーチも装備。荷物に合わせて機能をカスタマイズできるのだ

これだけの機能を詰め込んでいるにもかかわらず、シンプルな形に収まっていて、普段使いにも扱いやすい構造なのがこのバッグの良いところ。これなら、どこにでも普通に持っていけそうなのだ。

ストラップ一体型のハンドル。キャリーケースのハンドルに差し込めるようになっている
真横から見てもスッキリ。さほど仰々しく見えないのが魅力

(文・写真 納富廉邦)

[日経トレンディネット 2017年8月4日付の記事を再構成]

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