そこで、防水防じんの次に向けた動きとして、やはり日本のメーカーが力を入れている、耐衝撃性能に力を入れるメーカーが現れつつあるのだ。前述のLG V30は、IP68の防水防じん性能に加え、米国防総省が定めたMIL規格(MIL-STD-810)に準拠する耐衝撃性能を搭載。普段使いのスマホながら頑丈であることを特徴の一つとしている。

iPhone以外のスマホがトレンドのけん引役に

そして、ここまで挙げたトレンドから、もう一つの大きな変化が起きていることがわかる。それは、スマホのトレンドのけん引役がiPhoneではなくなりつつあることだ。

従来スマホのトレンドは、年に1度発表されるiPhone新機種の影響を大きく受け、iPhoneの機能やデザインを他のメーカーがフォローする傾向にあった。だが先に挙げたスマホトレンドをけん引しているのは、iPhoneではない。

実際、縦長ディスプレーのけん引役はサムスンやLGなど、ディスプレー技術に強みを持つ韓国企業であるし、デュアルカメラをいち早く採用してヒットをもたらしたのは中国のファーウェイだ。防水防じんや耐衝撃性能は、日本のメーカーが力を入れてきた要素が広まったものといえる。2017年9月12日(米国時間)に発表された新iPhoneが採用した無線給電も、既にサムスンなどが導入している。

無論、「次のiPhoneが何を採用するか」への関心は依然として高い。IFAはiPhone新機種の発表前だったが、いくつかのケースメーカーが「iPhone 7s」「iPhone 8」といった型番のスマホ向けケースをいち早く展示していた。iPhoneの人気が大きく衰えているわけではない。

IFAに出展するスマホケースメーカーのいくつかが「iPhone 8」用をうたうスマホケースを展示していることからも、iPhoneへの関心が依然高いことをうかがわせる

だが他のメーカー全てがiPhoneをひたすら追いかけることで市場トレンドが形成されるという状況は大きく変化しており、iPhoneが他のメーカーを追いかける部分が増えてきたというのもまた事実だ。それだけに今後は、どのスマホメーカーにも次のトレンドを生み出すチャンスが出てきたといえそうだ。

佐野正弘
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。