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ミラノにある「メンズファッションの聖地」を訪ねる 「アル・バザール」オーナー、リーノ・イエルッツィ氏

2017/9/13

 イタリアのミラノといえば、いわずと知れた「ファッションの都」。洒落(しゃれ)者たちが集まるその街に、「メンズファッションの聖地」とも称されるセレクトショップがある。1969年開業の「アル・バザール( Al Bazar )」だ。オーナーのリーノ・イエルッツィ( Lino Ieluzzi )氏は、世界各国のファッション誌などに頻繁に取り上げられるイタリアを代表する伊達(だて)男。「伝説」のショップにリーノ氏を訪ねた。




 アル・バザールがあるのはミラノ中心街から西に位置する住宅街。店頭に連なる緑色の日よけが目印だ。店舗に一歩足を踏み入れると、壁一面のジャケットやシャツに圧倒される。想像していたよりもこぢんまりとした店内はその分、「伊達」密度が高く感じられる。

店頭に連なる緑色の日よけが目印
リーノ氏の誕生日、10月7日にちなみ、「7」を刺繍したネクタイ

壁一面の商品に圧倒される店内

 陳列されているアイテムはフォーマルからカジュアルまで幅広く、リーノ氏が手がけたオリジナル商品も多い。自身の誕生日、10月7日にちなみ、数字の「7」を刺繍(ししゅう)したネクタイは人気商品のひとつだ。

 この店はもともと、ジーンズショップだったという。はじめは従業員として働いていたが、オーナーが店を離れてからは、独自のスタイルを打ち出し、カラフルなダブルブレストジャケットなど、個性あふれる品ぞろえを充実させていった。

 「特徴のひとつは黒いアイテムがないことでしょうか。黒いスーツや黒いジャケットは決して扱いません。私が好きなのは、ブルーやスカイブルー、クリーム、ベージュといった色づかいです。どこかクラシックで、しかし同時に新しい。それが私の好みです」。リーノ氏は自らの店についてこう語る。

左は若き日のリーノ氏

 アル・バザールが飛躍するきっかけのひとつは80年代、米国の雑誌に取り上げられたことだったという。黒や紺、灰色といったアイテムが多かったなか、リーノ氏の鮮やかな色づかいが注目された。

 「他のブランドは外国の顧客のために商品をつくっていました。つまり、外国人のために色をつくっていたのです。しかし、外国人顧客は私たちの商品を選んでくれました。イタリアンプロダクトを」。リーノ氏はこう振り返る。

 フィレンツェで開かれる世界最大級の紳士服展示会「ピッティ・イマージネ・ウオモ」でも人気者として知られるリーノ氏。アル・バザールにとどまらず、ほかのブランドに助言したりもしているという。リーノ氏にこれからを尋ねると、こう即答した。「この仕事を続けたいですね。永遠に」

日本の読者のためのコーディネートをお願いした。「若きバンカー」をイメージ
もう一つのコーディネート。ベージュ色のダブルブレストジャケットが鮮やか

 アル・バザール (Al Bazar)
 住所 Via A. Scarpa, 9 Milano, Italy
 電話番号 +39 02433470
 営業時間 8:30~19:00(日曜休業)

(取材協力:黒部和夫)

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