課長代理「結局Fさんは『俺の仕事にチャレンジする要素がない』ということを『しっくりこない』と言っていただけですよね」

私「まあそういう意見の方はいらっしゃいますよ」

課長代理「あの人いつも一言は話すんですけれど、感覚的な話ばかりだし、結論がないし、結局自分を擁護する意見だし。プロジェクトに参加している意味が分かってないと思うんですよ。外部から見てどう思います?」

私「そうですね……でもそういう方でも、プロジェクトの中で意見を言っておいていただいた方が、あとで反論されるよりはいいようにも思いますよ」

課長代理「そういうものですか。ただ、あの人のせいで会議が長引くことが多いし、絶対プロジェクトにいらないと思うんですよね……」

手を動かさないことですべてが台無しになる

Fさんのような方はたまに見つけることができます。このような方は、能力的には極めて高いのです。知り合いも多いし、知識量も多い。また多様な経験も積んでおられます。

それらを見るととても良い方なのですが、ある一点の行動だけがないために、10年とか20年をかけて、いなくてもよい人になってしまうのです。

それは、目に見える形のアウトプットを出さないこと。

より簡単にいえば、口は出すが、手は動かさない、ということです。

能力も経験もあるので、口に出した言葉はとても含蓄があります。しかし言葉だけで手を動かすことがないので、形にするのは他人任せとなってしまいます。プロジェクトのような一時的組織の中で、実作業を担当する後輩がいたりする分にはそれでも存在価値を示すことはできます。しかし日々の業務においては、良いことを言うけれど手を動かさない人、ということになれば結局、実作業担当に仕事が集中するだけになってしまいます。

やがて、これらの行動が繰り返されることで、この人のいらない度合いが増していってしまうのです。

それは仕事には相手がある、ということを忘れてしまうこと。具体的には、意見などの見せ方を気にしなくなるということです。

内容だけではなく見せ方も重要

ある意見を示すとき、その言い方や示し方で相手の受け取り方が大きく変わります。

たとえばある製品を売り込むのに、競合他社の製品と比較されているとします。この時、口頭で「うちの製品の方が優秀です。その理由は……」と言い続けるよりも、わかりやすい比較資料を作成して提示する方がインパクトがあります。またその見せ方についても、何枚もの細かい資料として見せるよりも、わかりやすい1枚を追加説明資料として見せることで、さらにこちらにとって有利な判断を引き出しやすくなります。

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