恐るべきハゲワシ軍団 チーターを圧倒、獲物を横取り

日経ナショナル ジオグラフィック社

2017/9/15
ナショナルジオグラフィック日本版

南アフリカ共和国のクルーガー国立公園で、興味深い動画が撮影された。捕らえたばかりのインパラをチーターの親子が食べているところに、ハゲワシの集団が近づいてプレッシャーをかける。チーターはいったん鳥たちを威嚇するものの、争うことなくその場を立ち去ってしまう。

専門家によると、こうした出来事は特に珍しくはないという。ナショナル ジオグラフィック協会の大型ネコ科動物保護プロジェクト「ビッグキャット・イニシアチブ」の責任者で、保全生物学者でもあるルーク・ダラー氏は、「チーターにとっては、負傷しないことが非常に重要です。他の動物に優位を奪われることはよくあります」と説明する。

ハゲワシが来た時点で、このチーターたちはすでにお腹がいっぱいだったのかもしれない。そのうえ、チーターの母親は子連れだったため、危険を避ける傾向が普通よりずっと強かったのだろう。

ハゲワシの専門家で、ナショナル ジオグラフィック協会のエクスプローラーでもあるコリン・ケンドール氏も、よく見られる光景だと話した。ハゲワシが他の動物から獲物を奪うところもケンドール氏はたびたび目にしている。

「私たちはこれまでの研究で、ハイエナがハゲワシを使って死骸を探すことを明らかにしてきました。そのほうが、早く死骸にたどり着けるのです」とケンドール氏。したがって、このチーターは単にハゲワシを恐れたのではなく、続いてハイエナが来る可能性を考えたのかもしれないと指摘する。

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2017年8月4日付記事を再構成]

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