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「早歩きで脂肪肝が改善する」は、ウソ・ホント?

日経Gooday

2017/9/9

正解は、(1)ホント です。

■脂肪肝の半数以上は「お酒の飲み過ぎ」とは無関係

(C)Naveen kalwa-123rf

脂肪肝は、肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態です。脂肪肝と診断される人は、人間ドック受診者の3割を占めるといわれ[注1]、働き盛りの年代にとって身近な問題となっています。

従来、脂肪肝はお酒の飲み過ぎによるもの(アルコール性脂肪肝)と思われていましたが、最近では、お酒を飲まない人が脂肪肝となり、さらには肝硬変や肝がんになるケースも少なくないことがわかってきました。こうした アルコール以外の原因による脂肪肝を、「非アルコール性脂肪性肝疾患」または「NAFLD(Non-alcoholic fatty liver disease)」と呼びます。現在では、脂肪肝全体の半数以上をNAFLDが占めており、推定有病者数は1500万~2000万人にも上ります。

では、こうした脂肪肝を治すにはどうすればいいのでしょうか。

■1日30分以上の早歩きで脂肪肝が改善

「肝臓にたまった脂肪を減らすには、運動療法と食事療法を実践することが有効です。具体的には、総カロリーを抑えながら有酸素運動を主体に運動を行って体重を減らしていきます。そうすると、肝臓に占める脂肪の割合が減少し、様々な検査値も改善していきます」と、筑波大学附属病院消化器内科教授(肝臓生活習慣病外来担当)の正田純一氏は話します。

運動は、有酸素運動と筋力運動をうまく組み合わせることが重要です。有酸素運動をするときは少し息が上がる程度、筋力トレーニングの場合は、ある程度きつさを感じるような負荷をかけて運動をする必要があります。

正田氏らの研究では、中高強度の身体活動(moderate to vigorous physical activity: MVPA)、例えば、早歩き(速歩)などを週に250分(1日36分)以上実践すれば、体重が減少しなくても肝臓に蓄積された脂肪が大幅に減ることが分かっています(下図)。

中高強度の身体活動によって肝脂肪量が減少した。週に250分以上行った群では、250分未満の群に比べて改善の度合いが有意に大きかった。(出典:Hepatology. 2015;61:1205-1215.)

「中高強度の運動によって筋量が増加すると、日常生活で消費するカロリー(基礎代謝)が増えるので、太りにくくなります。肝臓病患者の寿命と関係の深い骨格筋(骨格を動かす筋肉)も鍛えられます」(正田さん)

早歩きは、他の生活習慣病の予防や改善にも有効な運動です。仕事や家事の合間や通勤時など、すきま時間に実践してみましょう。

[注1]日本人間ドック学会「2014年人間ドックの現況」

[日経Gooday 2017年7月24日付記事を再構成]

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