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ドラマの現場にマナーの神髄 変わる所作、変わらぬ心

2017/8/31

PIXTA

 TVドラマや映画で、マナーや所作の指導をすることも多いマナーコンサルタントの西出ひろ子さん。脚本の時代設定によっては当然、現代とは異なるマナーや所作が求められることがあります。現代のビジネスマナーにまでつながる所作の背景や、撮影現場で再認識したマナーの本質についてお聞きしました。

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 ドラマや映画の撮影では、監督のご意向で「この作品のマナー指導に入ってほしい」となったときにお声が掛かります。そして、必要なシーンごとに指導に入ります。実際にはマナー指導と所作指導の二つがあります。所作指導では動きの「型」をお伝えしますが、マナー指導の場合は、そのシーンの登場人物の状況や心理状態まで考慮して、「所作として正しいのはこういう動きだが、この場面ではこのように崩してもいいのでは」といったところまで踏み込みます。さらには、室内にあるテーブル、ソファなどの備品の形や置き方から、和装・洋装の着方、帽子やアクセサリーなどの素材や付け方のマナーにまで及びます。

 マナーも世につれ変わりますので、時代考証のニーズは大きいですね。脚本で設定された時代にはどういう所作をしていたのか、どのような服装だったのか。テーブルマナーひとつとっても、現代ではしないけれど当時はこれが普通、といったことはよくあります。

■「小指を立ててグラスを持つ」のがNGな理由とは

 俳優さんから一番よく質問されるのも、テーブルマナーに関してですね。洋食ではカトラリー(食卓用のナイフ、フォーク、スプーンなど)の使い方、座り方、どのように切ってどこから食べればいいかなど細かく質問されることが多いです。和食ではお箸やおわんの持ち方、お茶の飲み方、アイスクリームを食べるシーンではその食べ方など。もちろん、普段の生活では皆さんご存じのことですが、いざ演技となると、一つ一つこれでいいのかと確認されたいようです。

 例えばナイフとフォークを使うとき、皆さん意外と両肘を外側に張ってしまいがちです。両腕の脇をちゃんとしめてナイフとフォークを使うのが正しく美しい所作ではありますが、実際に撮影したシーンではこんなことがありました。

 高貴な身分の方々と、庶民である主人公たちが食事を共にするシーン。高貴な方々は当然正しい所作が身に付いているでしょうが、招かれた主人公たちは洋食に慣れていないので、肘を張ってカトラリーを使うほうが「自然」になります。このシーンではそのように崩すほうが、リアル感が出ます。

 あるいはワイングラスの持ち方ひとつでも、役柄によっては崩した持ち方にすることでキャラクターをより明確に表現できるようになります。

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