合体するスーツケース ベビーカー技術で楽々移動
旅の期間や目的によって、自分好みにケースをカスタマイズ――。そんな、キャリーバッグの既成概念を覆す新発想のシステムを提案するのが、「バガブー ボクサー」(バガブー)だ。
最大の特徴は、ケースをさまざまなスタイルにカスタマイズできる可変性だ。ボクサーは、大きなトラベルケースと小ぶりなキャビンケース、それらを結合して運搬できる車輪付きのシャーシの3つを、自由自在に組み合わせられる。例えば、1泊だけの出張なら、キャビンケースだけをシャーシにセット。長期の海外旅行なら、トラベルケースとキャビンケースを合体させた状態でシャーシに取り付けるといったように、荷物の量に合わせて調節できる。最大で100リットルに近い大容量になる。
また、シャーシに付属するオーガナイザーは、外付けでき簡単に着脱可能。ノートパソコンが収まるサイズで、煩雑な空港の手荷物検査もスマートに済ませられる。
もう一つの特徴が、引きずらずに押して移動できること。4輪のシャーシは非常に安定性が高く、自立するうえに軽い力で押せるよう設計されている。クッション性も高く、多少の段差や石畳などの衝撃は吸収され、かなり快適だった。移動中はケースが常に視界に入った状態が保てるため、衝突などによる事故のリスクも軽減できる。
実は、オランダに本社を構えるバガブーは1999年の創業以来、ベビーカーの開発・販売が中心。16年、初めてビジネスパーソンなどに向けて発売したのがこの商品だった。押して移動する発想や、シャーシの高い機能性は、その知見のたまものといえる。トラベルケース、キャビンケース、シャーシのフルセットで約20万円と高価だが、価格相応の機能が詰まっている。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2017年9月号の記事を再構成]
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