私は情のない女 世の男性のためにも一人で生きる[増山晴美さん(仮名) 第4回]

こんにちは。ライターの大宮冬洋です。東京・丸の内にある中華料理店に来ています。比較的新しいビルの2階に入っている開放感のあるお店です。ゆったりとした席で静かに食事ができるので会食で時々使わせてもらっています。今回、ランチをしながらのインタビューに応じてくれたのは高校教員の増山晴美さん(仮名、40歳)です(前回記事はこちら)。

エネルギッシュな雰囲気の美人である晴美さん。男性と遊ぶことは大好きだけれど、結婚願望はほとんどないと明かします。32歳のときに真面目な公務員である雅也さん(仮名)と別れてからは享楽的な日々を送っていました。一緒に寝た男性の中には名前さえ覚えていない人も多いそうです。

そんな晴美さんも時々は真剣にお付き合いすることがあります。友人がそれとなく紹介してくれた3歳年下の会社員である昌弘さん(仮名)です。

「その友人の結婚式に彼も出席したので、間近で見てから紹介してもらうかどうかを私が決めることができました。私好みの、見た目は普通の男性(笑)。しかも、殺人事件に興味があるという特殊な趣味も共有できる人でした。何度かケンカして離れながらも足かけ3年ぐらいはお付き合いしていたと思います」

「支えてあげたい」という気持ちが私にはない

かなり破天荒な性格の晴美さんですが、一本筋が通っているからなのか本気で心配をしてくれる友達が多いようです。しかし、晴美さんは結婚をするつもりはなく、昌弘さんともやはり別れてしまいました。

最近では男性との交際も避けようとしています。「自分には他人を支えてあげたいという気持ちが欠けている」と自覚したからです。

単なる卑下ではありません。晴美さんは事例を3つ挙げてくれました。

「AさんとBさんとはそれぞれ4、5回はデートしました。ちゃんと付き合おうと思った矢先に、病歴があることを告白されたんです。それぞれにちょっと重い病気でした。その途端に気持ちが離れてしまったのです。どうして今になって明かすのかと思いましたが、最初から言ってくれていたとしても、たぶんデートは続かなかったと思います」

恋愛はキレイごとではないので、気持ちは分かります。でも、人はいつか老いて病んでいくのです。それは自分の親を見ていれば明らかですよね。僕はあまりに元気過ぎる若者よりも、いたわり合ったり白髪を笑い合える同世代と交際したいけどな……。「心はいつまでも15歳」だと自覚し、年下の男性とお付き合いすることが多い晴美さんには通用しないようです。

「合コンで会ったCさんとは半年付き合いました。11歳年下の会社員です。優しくて、素直に甘えてきてくれる男性でした。1カ月以上もデートしているのに手を出してこないので『もしかして既婚者?』と警戒していたら、バツイチの子持ちだと判明。子どもと一緒に住んでいるわけではありませんが、養育費を払っているので自由に使えるお金が少なくなります。もっと気になったのが学歴。何かやりたいことがあって高卒ならいいのですが、何の理由もなく大学に行っていないのでは魅力を感じません。この二つのことで気持ちが離れ、嫌になってしまいました」

晴美さん、嫌になるポイントがちょっと非情かつ差別的ですね。しかし、情がないくせに情があるふりをするよりは潔いともいえます。晴美さんは今「世の男性のためにも一人きりで生きよう」と決意しているのです。今年、自分用の分譲マンションを購入予定です。

誰よりも両親と妹が大好きで、恋人は二の次、三の次だと公言する晴美さん。本当の意味で巣立てていないのかもしれません。「15歳」なのだから仕方ないですけどね。妹夫婦に子どもができて、両親が老いて亡くなったりした後、一人きりの晴美さんはどうするのでしょうか。僕が心配するまでもなく、優しくて厳しい友達に囲まれて楽しく生きている気もします。(来週は新たなキャリア女子が登場します)

大宮冬洋
フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに就職。1年後に退職、編集プロダクションを経て02年よりフリーに。著書に「30代未婚男」(共著/NHK出版)、「バブルの遺言」(廣済堂出版)、「私たち『ユニクロ154番店』で働いていました。」(ぱる出版)など。電子書籍に「僕たちが結婚できない理由」(日経BP社)。読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京・愛知・大阪のいずれかで毎月開催中。
ライター大宮冬洋のホームページ http://omiyatoyo.com/

「キャリア女子ラブストーリー ~アラフォーからの恋愛論」バックナンバー

これまでの記事はこちらをご覧ください。