お盆の高速渋滞ピーク、下り「山の日」 上り13~15日
編集委員 小林明
帰省や行楽などで高速道路の渋滞が集中するお盆期間(8月5日~8月16日)がいよいよ明日から始まる。渋滞に巻き込まれずに快適なクルマの旅を楽しむには、いつ、どんなルートを選択したらよいのだろうか? 高速道路各社(東日本、中日本、西日本、本州四国連絡高速道路など)の渋滞予測を踏まえて今年の傾向と対策を探ってみた。
通常は6連休、下りは11日に集中・上りは分散傾向
まず曜日や祝日との組み合わせを確認してみよう。通常、お盆は迎え盆(盆入り)の8月13日から送り盆(盆明け)の8月16日までの4日間を休みにする人が多い。2016年から8月11日の「山の日」が新たな祝日になったため、17年は8月11日~16日を6連休とする人が多くなりそう。8月13日が日曜日に重なってしまうが、「山の日」の導入効果で6連休となり、帰省客や行楽客にとっては比較的移動しやすい日並びとなった。
10キロ以上の渋滞予測の回数をグラフにすると、全体の傾向が浮かび上がる。
下り線は8月11日に渋滞のピークを迎え、上り線は8月13~15日に多くの渋滞が発生する見通し。つまり、今年は6連休が始まる金曜日の8月11日に下り線全体の2割強の渋滞が集中し、帰りの上り線は13~15日の3日間に渋滞が分散すると予測される。
こうした状況を踏まえると、下り線では特に渋滞が集中する「山の日」に移動する人は注意が必要。一方、上り線は渋滞は分散するものの、中規模以下の渋滞が逆に増える傾向もあるのでこの点には気を付けたい。帰りはあえて6連休の最終日となる8月16日に移動する選択肢も状況次第で有効かもしれない。
下り「相模湖IC」「矢板北PA」で45キロ渋滞、11~12日に発生集中
具体的な渋滞発生箇所を分析してみよう。
全国の高速道路でお盆期間中に発生する見通しの30キロ以上の渋滞をすべて網羅したのが一覧表である。
下り線では16回、上り線では24回発生すると予測。今年は日並びが恵まれた分、昨年(下り線12回、上り線15回予測)よりも予測回数がかなり多くなっている。
下り線では中央自動車道の「相模湖インターチェンジ(IC)」が4回で最多。次いで東北自動車道の「羽生パーキングエリア(PA)」と関越自動車道の「東松山インターチェンジ(IC)」がそれぞれ3回、中国自動車道(名神高速)の「宝塚東トンネル(TN)」と東名高速の「伊勢原バス停(BS)」がそれぞれ2回と続く。
特に「相模湖IC」は3回が最長の45キロの大渋滞となる見通し。8月11日には東北自動車道の「矢板北PA」でも45キロの大渋滞が発生すると予測しており、それぞれ注意が必要だろう。
下り線全体の渋滞16回のうち、8月11日に7回、12日に5回が集中する見通しだ。
上り「高坂SA」で45キロ渋滞、分散傾向も発生回数は多め
一方、上り線は関越自動車道の「高坂サービスエリア(SA)」と東名高速の「大和TN」がそれぞれ5回で最多。次いで中央自動車道の「小仏TN」が4回、神戸淡路鳴門道の「舞子TN出口」が3回、東北自動車道の「上河内SA」と名神高速の「大津IC」がぞれぞれ2回と続く。
特に「高坂SA」は1回が上り線唯一の45キロの大渋滞となる見通し。
上り線全体の渋滞24回のうち、8月13~15日の3日間に16回が発生すると予測している。
ピーク時刻を休憩や食事の時間にあてたり、渋滞カ所を把握してルートを変えたりするだけでも不快な時間を節約できる。また高速道路の渋滞は天候や事故によっても刻々と状況が変化するので、ニュースや渋滞速報をこまめにチェックした方がよいだろう。
最後に、45キロの大渋滞が予想される下り線の「相模湖IC」「矢板北PA」、上り線の「高坂SA」について詳しい状況と回避例を紹介しておこう。
8月11日(下り線)の「矢板北PA」はピーク時刻が10~11時。通過するのに必要な時間は通常時の約30分から1時間50分程度に伸びる見通し。ここでは栃木都賀ジャンクション(JCT)を5時以前か16時以降に通過するようにすれば、所要時間は1時間程度以内に収まる。
8月5、11、12日(下り線)の「相模湖IC」はピーク時刻が6~10時。通過するのに必要な時間は通常時の約35分から2時間15分程度に延びる見通し。ここでは高井戸ICを5時以前か17時以降に通過するように移動すれば、所要時間は約35分以内に収まる。
8月14日(上り線)の「高坂SA」はピーク時刻が17~19時。通過するのに必要な時間は通常時の約30分から1時間30分程度に延びる見通し。ここでは高崎JCTを14時以前か22時以降に通過するように移動すれば、所要時間は1時間程度以内に収まる。
選択肢が限られていても、多少でも他人と違う行動を取れば、渋滞もなるべく回避でき、結果として渋滞も緩和する。社会全体への利益にもつながるので、たとえわずかであっても各自で工夫や努力をしてみてはいかがだろうか。
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