人見知りの岡田将生 かけると安心、20個のメガネ

等身大の青年役から刑事役、超能力者まで幅広い役柄を演じてきた岡田将生さん。20代後半になった「イケメン俳優」のトップランナーが「あると落ち着く」というモノとは。そして、スペインのホテルで至福の時をくれた「宿泊ロケの友」的家電とは?
メガネが相手とのフィルターに
「僕、モノに執着がないんですよ。買い物もあまりしないんです。でも、メガネは持っているほうかもしれません。
目が悪いので、小学生の頃からずっとメガネをかけていたんです。今はコンタクトをつけているんですけど、昔からかけていたので、やっぱりメガネのほうが落ち着きます。だてメガネも含めると、20個くらいは持っていますね。特に好きなのは丸メガネ。四角より丸いデザインのほうが好きなんです。
初対面の人に会うときはメガネをかけていくことが多いかな。人見知りなので、初対面の人に会うと、緊張して疲れちゃう。でも、メガネをかけていると安心するところがあります。相手との間にレンズがあるので、フィルターになるというか(笑)。
ただ僕は本当に視力が弱くて、度付きメガネはレンズが分厚いんです。かけると目が小さく見える。だから朝、コンタクトが入らなくてメガネで現場に行くと、共演者の方に驚かれます。『オタクみたい!』って(笑)」

髪形に学ラン、ビジュアルの大切さ実感
8月4日公開の最新作は、「週刊少年ジャンプ」に開始され、今年30周年となる荒木飛呂彦の代表作「ジョジョの奇妙な冒険」を実写映画化した『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』。マンガは以前から愛読していたという岡田さんが演じるのは、「スタンド」と呼ばれる超能力を持って、舞台となる杜王町を暗躍する高校生・虹村形兆(にじむら・けいちょう)。金髪かつ、四角いリーゼントが特徴のキャラクターだ。
「『ジョジョ』との出会いは中学生のとき。漫画好きな友達が『絶対に通らなきゃいけない道だ』と力説していたので、1巻ずつ一生懸命集めていったんです。巻数が多い作品なので、最新刊に追いつくのは高校時代までかかりました(笑)。そういう意味でも思い入れの強い漫画ですね。
出演のお話をいただいた時は、『(実写化を)本当にやるんだぁ』と思いました。正直に言えば『まじかー』と(笑)。でも好きだからこそ、関わる限りは全力でやらなきゃいけないし、20代後半になっても、18歳のこういう役をもらえるのはありがたいなっていう気持ちもありました。
僕が演じる形兆は、絶対的な悪ではなく、信念を持っているキャラクター。原作のファンが『三大兄貴』と呼んでいるほどいい兄貴なので、そういう感じが出せたらいいなと。だから(新田真剣佑さんが演じる)弟の億泰(おくやす)との関係性はとにかく大事に演じています」
独特の世界観と個性的なキャラクターで知られる作品だけに、演じる役のビジュアルにもこだわった。
「特に大変だったのは髪の毛。『本当にこれを再現するのか?』というところからスタートして(笑)、ヘアメイクさんと何回も何回も試行錯誤しながら作り上げていきました。
衣装は、身長が高くなってキレイに見えるように、靴底を高くして、それに合わせて作ってもらった学ランを来ています。
久々に着ましたねぇ、学ラン。恥ずかしいですよ、やっぱり(笑)。
でも衣装さんとメイクさんがカッコよくキャラクターを作ってくださったので、衣装を着るとスイッチが入る。助けられましたし、『ビジュアルは、役者にとってすごく大切なんだな』と改めて知ることができました」

スペインで活躍したBluetoothスピーカー
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は、東宝とワーナー・ブラザース ジャパンが初めてタッグを組んで配給する大作。監督の三池崇史氏の提案により、スペインの地中海沿いの町、シッチェスで長期ロケが行われた。

「『何でスペイン?』と思っている原作ファンもいると思うんですけど、スペインには日本とは違う空気感があって、情緒のある建物も多い。そこに立つだけで、絵になるんです。僕は完成した作品を見た時に、スペインで撮影できてよかったと思いました。
約1カ月、みんなで同じホテルに泊まっていたので、チームワークも自然と良くなりましたね。特に(山崎)賢人や神木(隆之介)、(新田)真剣佑とはほぼ毎日一緒にご飯を食べていたので、すごく仲良くなれて。
困ったのは、スペイン料理の食べ過ぎで、太ったこと(笑)。みんな自分にぴったりの衣装を作ってもらっていたので、体形を維持しなきゃいけない。『ちょっと肉、食べ過ぎだよね……』という時は、みんなで走ったり、体を動かしたりもしていました」
そんなスペインロケに持参していたのが、BOSEのBluetoothスピーカー「SoundLink Mini」だった。
「スピーカーは田中要次さんにいただいたのですが、泊まりでロケに行く時は、だいたい持っていきます。テンションを上げるために音楽を聴いて現場へ行くこともありますし、逆に気分を落ち着かせたいときに流したりもします。朝にゆったりとした曲をながしていると『いい1日だなあ』と思えて、いい感じですよ(笑)。
僕は小説を読むのも好きなので、本も持っていきました。特に僕が好きな作家は中村文則さん。なかでも『教団X』(集英社)が好きなんですが、スペインでは休みの日もけっこうあったので、中村さんの本だけでなく、いろいろな本を持っていって読んでいました。
スペインで泊まったホテルは、海の目の前だったんですよ。朝、ベランダでコーヒーを飲みながら、スピーカーから音楽を流して、小説を読む……。それは素晴らしい時間でした(笑)」

1989年生まれ、東京都出身。2006年にデビュー。2009年の初主演映画『ホノカアボーイ』などで日本アカデミー賞新人俳優賞ほか多数の賞を獲得。その後の主な映画に『告白』(10年)、『宇宙兄弟』(12年)、『秘密 THE TOP SECRET』(16年)など。ドラマは「ゆとりですがなにか」(16年/日本テレビ)、「小さな巨人」(17年/TBS)などで活躍。今夏は『銀魂』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の2本の映画が公開され、『伊藤くんA to E』(18年)も控えている。
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』

「スタンド」と呼ばれる特殊能力を持つ高校生、仗助(じょうすけ)。彼の住む杜王町では、最近、変死事件が続発していた。仗助は偶然、同じくスタンド使いであり、一連の事件に関わる凶悪犯アンジェロの犯行を邪魔してしまったことから、次の標的にされてしまう。家族と町を守るため、アンジェロと戦うことを決意する。 監督・三池崇史 原作・荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社ジャンプ コミックス刊) 脚本・江良至 出演・山崎賢人、神木隆之介、小松菜奈、岡田将生、新田真剣佑、山田孝之、伊勢谷友介 8月4日(金)全国ロードショー
(ライター 泊貴洋、写真 吉村永)
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