ヤドカリに擬態するイカ 実物知らないのにそっくり

日経ナショナル ジオグラフィック社

2017/8/18
ナショナルジオグラフィック日本版

ヤドカリになりすますイカがいることがわかった。2017年5月に琉球大学の研究グループが学術誌「ジャーナル・オブ・エソロジー」で発表した。下の動画をを見てほしい。トラフコウイカが体の色を変え、腕をひらひらと動かすような仕草をしながら、ヤドカリのフリをしている。獲物に警戒されずに接近するためか、捕食者から身を守るためではないかと、今回の研究の中心となった岡本光平氏は考えている。

ヤドカリは主に微細な有機物などを食べるため、トラフコウイカの獲物となる小型の魚や軟体動物を襲ったりしない。したがって、ヤドカリに擬態すれば、トラフコウイカは警戒されずに獲物に近づくことができるはず。また、硬い殻を持っているようにも見せかけられるので、海の捕食動物から身を守ることにもつながる。

琉球大学と共同でこのイカの行動を研究している中島隆太氏によれば、研究で使ったトラフコウイカは研究室で生まれたもので、実物のヤドカリを見たことはないという。「実際の観察から学んでいるのか、それとも遺伝子にプログラムされているのか。知能や複雑な行動についての疑問は尽きません」

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2017年6月14日付記事を再構成]

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