10年ぶりに新しい発声法に挑戦 声が変わった実感第2回

日経エンタテインメント!

僕が主演を務めているミュージカルの舞台『グレート・ギャツビー』も、東京、愛知、大阪を経て、福岡の千秋楽(公演の最終日)が近づいてきました。闇の世界に生きるアウトローを演じたのは初めてで、大きなチャレンジだったという話を前回しましたが、ミュージカルの歌い手としても新しいことに取り組んでいます。声が太くなったのでは、と言われるのですが、実は10年ぶりくらいに発声法を変えたのです。

『グレート・ギャツビー』 東京、愛知、大阪での公演を経て、7月20~25日福岡・博多座で上演 写真提供/東宝演劇部

僕は子どものころからミュージカル俳優をめざして、歌の先生に習い続け、東京藝術大学に入学。音楽学部声楽科を卒業した後も、ボイストレーナーの先生についていました。ところが、あるときから先生に教わることをやめました。というのも、俳優としてキャリアを積むと、自分の考えで判断しないといけない場面がたくさん出てきます。いちいち先生に聞けないですし、自分の成長のためにも人に習うのはやめようと思い、ここ10年くらいは、それまでに学んだやり方をベースに歌ってきました。調子が悪くなったら、声の出し方が悪いからだろうから、こう変えてみようとか、やっていたのです。

ところが、今回の『グレート・ギャツビー』で歌唱指導の山川高風さんと出会い、発声のメカニズムを詳しく説明してくれた言葉に、すごく納得しました。僕なりにやってきたことの利点や間違っている点を冷静に指摘してくれて、「こうしたらもっと声が出ますよ」と教えてくれました。実際にやってみたら、確かにすごく歌いやすくなって、声も変わったのです。180度とは言わないけど、90度くらいはやり方を変えた感じです。

体のどこを鳴らすか

何が違うかと言うと、要は体のどこを鳴らすかという問題です。これまで僕は、口の上の部分も下の部分も使って歌っていました。あるパートは上でワーッと歌い、あるパートは下あごを使ってアーと歌っていたのですが、それだと響きの位置が変わって統一できないのです。

僕はそういうものだと思っていたのですが、山川さんのアドバイスは「同じところをずっと響かせなさい」。僕は響かせるのに苦手な箇所があったり、うまくいかないときは歌い方で切り抜けてきたのですが、本当はきちんと鳴る同じところを鳴らし続けたほうがよくて、あとは筋肉で強弱を付けたりする、というやり方を教わりました。

それだと、響かせるポジションが変わらないからすごく安定しているし、強弱もつけやすいし、ロングトーンで伸ばすこともできます。とても理にかなった歌い方で、1カ月くらい稽古するうちに、確実に変わってきたという実感を得ました。

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