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ファッション

盛り上がる英国モード キャサリン妃も愛用、その魅力 宮田理江のおしゃれレッスン

2017/7/19

 英国風のおしゃれが世界的に再評価されています。2017~18年秋冬シーズンにはブームといえるほどに盛り上がる気配。英国らしいクラシック感と仕立て技術が着姿に大人の品格を寄り添わせてくれます。英国ブランドを集めたショップ「VULCANIZE London(ヴァルカナイズ・ロンドン)」から、日本ではまだあまり知られていない実力派ブランドをピックアップして、英国モードの魅力を掘り下げてみましょう。

【クラシックとモダンの程よいミックス】

■KATHERINE HOOKER(キャサリン フッカー)

(写真:Getty Images)
KATHERINE HOOKER

 英国王室を代表するファッションリーダーであるキャサリン妃が愛用するブランドの一つが「KATHERINE HOOKER(キャサリン フッカー)」。英国ならではのクラシカルなフォルムでエレガンスを感じさせながら、堅苦しくない着映えのコートは幅広いシーンに活用できそうです。丹念なテーラーリングはコートでありながらドレスのような立体感を生んでいます。英国調テーラーリングは来秋冬にクローズアップされそうなテーマとしても見逃せません。

【エレガンスとガーリーが自然に同居】

■GOAT(ゴート)

GOAT

 英国ブランドの持ち味は主張しすぎないところにもあります。2001年に誕生した「GOAT(ゴート)」は体の曲線を自然に引き出すカッティングでドレスを提案。フォーマルウエアで経験を積んだ英国人デザイナーは、品格あるシルエットと、ガーリーなディテールをミックスするのを得意としています。レトロフォルムのワンピースにはスワロフスキーエレメンツをちりばめて上品な光を呼び込みました。エレガンスに愛らしさが加わったデザインは若々しい着映えに導いてくれそうです。

【「レース、ラッフル、花柄」のトレンド3本柱】

■Perseverance London(パーセヴェランス ロンドン)

Perseverance London

 ロンドンコレクションが開催されるモード発信地の英国には、欧州全域から才能が集まってきます。スペイン出身のデザイナーが手がけるブランド「Perseverance London(パーセヴェランス ロンドン」はレースを巧みに生かす技法に特徴があります。上半身を花びらで埋めつくしたかのような、手の込んだ総レース仕上げが上品な表情です。夏のイメージが強かったレースは年間を通じてはずせないディテールに。夏場は涼やかさを演出する効果があり、秋冬には着姿を軽やかに見せてくれるので、レースアイテムをワードローブに加えておくと重宝するでしょう。

■Whistles(ウィッスルズ)

Whistles

 クラシックな雰囲気を大切にしながら、程よくスパイスやウイットを効かせるのが英国流のさじ加減。1980年代にスタートしたブランド「Whistles(ウィッスルズ)」のウエアもモダンとレトロを併せ持っています。ノスタルジックな雰囲気の花柄を全体に配したデザインのワンピースは、腰から下に施した細めのプリーツがレディーライクな風情。そこにウエスト脇から背中にかけて肌見せゾーンが設けられていて、さりげない主張を感じさせます。ジャケットを羽織ればオンの装いに、ジャケットを脱げばディナー着にとムードが変わる優秀デザインです。

【洗練モードにユーモアや手仕事感】

■VICTORIA, VICTORIA BECKHAM(ヴィクトリア ヴィクトリア ベッカム)

VICTORIA, VICTORIA BECKHAM

 英国にはアバンギャルド(前衛)の伝統が息づいています。サッカーのスーパースターだったデビッド・ベッカム氏を夫に持つデザイナー、ヴィクトリア・ベッカムは斬新なデザインでモードの選択肢を広げています。指先まですっぽり覆い隠してしまう超ロングスリーブのニットトップスはユーモラスなたたずまいで、トレンドのエクストリームシルエット。風合いの異なるニットアイテムを重ねていますが、全体的に朗らかな縦長シルエットを印象づけて、大人レイヤード(重ね着)に仕上げています。

■&Daughter(&ドーター)

&Daughter

 新鋭が続々と登場して、ロンドン・モードを揺さぶっています。2013年にデビューしたばかりの「&Daughter(&ドーター)」もその一つ。英国で継承されてきたニットウエアの文化を生かしたニット専門ブランドです。手仕事で仕上げる伝統の職人技に、モダンなデザインセンスを融合。部分ごとに編み地を変えつつ、若々しいツートーン(2色使い)で、スタイリッシュなムードをセーターに忍び込ませました。肩の力を抜いた装いにニットは欠かせません。1枚でさまになる上質なニットを味方につけておきたいものです。

ヴァルカナイズ・ロンドン 青山店(東京都港区南青山5-8-5)

 「背広」の語源になったとされるテーラー店街「サヴィル・ロウ」が象徴する紳士服文化。パンクルックやスニーカーが示すストリートカルチャー。こういった振れ幅の大きい服飾文化が育んだ、懐の深さが英国ファッションの魅力です。

 複数のショップが同じ屋根の下に集う「アーケードショップ」は英国らしさを映す、クラシックな商業形態。たくさんの英国ブランドが集まった「ヴァルカナイズ・ロンドン」はこのアーケードをコンセプトにしています。今回取り上げたブランドのほかにも、トラベルケースの「GLOBE-TROTTER(グローブ・トロッター)」やレザー・ステーショナリーの「SMYTHSON(スマイソン)」、シャツ・ネクタイの「Turnbull & Asser(ターンブル&アッサー)」など約40の英国ブランドがそろっています。

 欧州連合(EU)からの離脱決定や、相次ぐテロ事件、英国議会の不安定化などで世界の耳目を集めていますが、アートやファッションの分野では英国は新トレンドの発火点であり続けています。しかも今度の秋冬ではチェック柄やスーツなどを含めたブリティッシュテイストがブームになる見込みだから、英国気分が薫るおしゃれを試す価値がさらに高くなるはずです。

[画像協力]

ヴァルカナイズ・ロンドン https://vulcanize.jp/

https://www.instagram.com/vulcanize_london_official/

宮田理江
 ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、リアルトレンドを落とし込んだ着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした消費者目線での解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。公式サイト:http://riemiyata.com/

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