朝たまごダイエット 基本レシピ楽しみ、やせて美肌に

日経ヘルス

(写真:鈴木正美)
(写真:鈴木正美)
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夏はボディーラインが気になる季節。ダイエットするなら忘れてならないのが「朝たまご」。朝食に卵を食べることでダイエット効果が高まるからだ。

その理由のひとつが食欲ホルモンのコントロール。「卵には食欲を高めるグレリンというホルモンの分泌を抑え、食欲を抑制するPYYというホルモンの分泌を高める働きがある」とキユーピーの西山博研究員。満腹感が持続しやすいため、卵を食べておくと間食が減り、1日の総摂取カロリーも抑えられる。

「卵を加えることで朝食の栄養バランスが整うこともダイエット効果を高める一因になる」と話すのは、東京家政大学の峯木眞知子教授。近年の研究で、朝食を抜いたり、炭水化物だけの朝食をとるより、たんぱく質を含むバランスのいい朝食をとるほうが、ダイエット効果が出やすいことがわかってきたという。

「卵は必須アミノ酸や脂質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく含む食品。1日1~2個を目安にとるといい。ただし、卵にはビタミンCと食物繊維が含まれない。野菜や果物もしっかり食べるように」と峯木教授。

おなじみの卵料理がよりおいしく簡単に作れる裏ワザを紹介しよう。

[朝たまごダイエット 実践ルール]
1.朝食に1~2個の卵を食べる: 60グラムの卵1個で、たんぱく質が成人女性の必要量(*)の約18%、脂質の代謝に不可欠なビタミンB2が26%もとれる。炭水化物はほとんど入っていない。

2.野菜もしっかりとる: 「いくら卵がいいといっても、朝食に卵だけではダメ。やせやすい体を作るには、バランスのいい朝食が大事」と峯木教授。野菜や乳製品なども組み合わせてとろう。

3.間食は極力減らす: 朝に卵を食べてやせた人には、それまで食べていた間食が減ったという人が多かった。お菓子を食べることが習慣になっている人は、意識して間食を減らしてみよう。

*厚生労働省『日本人の食事摂取基準 2015年版』、文部科学省『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』より算出。なお必要量とは、推定平均必要量のこと。

朝食に卵を食べるとダイエット効果が高まる

BMI25~50の肥満気味の男女152人を4群に分け、朝食に卵のみ、卵付き朝食セット(トーストとゼリー)、ベーグルのみ、ベーグル付き朝食セット(クリームチーズとヨーグルト)をそれぞれ、週に5日以上、8週間食べてもらった。その結果、卵付き朝食群で、最も体重、BMI、ウエストが減っていた。(データ:Int J Obes.; 32,1545-1551,2008)

【達人が紹介 ひと手間でぐんとおいしくなる基本の卵料理】

薄味をしっかり染みこませる 味付けたまご

1個 89kcal たんぱく質 7.0g

[材料(2人分)] ゆで卵……2個 だししょうゆ……大さじ3(しょうゆ大さじ2+顆粒だし小さじ1) みりん……大さじ2 水……200ml

[作り方]1. ゆで卵以外の調味液の材料をすべて小鍋に入れる。弱火にかけ、煮立ったら火を止め、粗熱をとる。2.1と殻をむいたゆで卵をファスナー付きの調理用保存袋に入れる。できるだけ空気を抜いて口を閉じ、冷蔵庫で1~2晩漬ける。

*調理の裏ワザ:調味液を濃くすると、白身が硬くなってしまい黄身まで味が入らない。かけつゆ程度に薄めに作ってじっくり味を染みこませれば、白身も黄身もぷるぷるの仕上がりに!

*ゆで卵を作るポイントは「お湯」からゆでること。沸騰したお湯に卵を入れたら、少し火を弱めて沸騰しない程度の温度で加熱しよう。ゆでる前にお尻に押しピンなどで穴を開けておくと、殻がきれいにむけやすい。加熱後すぐに冷水につけるとなおよい。

低温がトロトロツヤツヤの秘訣 黄金のスクランブルエッグ

1人分 323kcal たんぱく質 13.7g

[材料(1人分)] 卵……2個 牛乳……大さじ2 塩……ひとつまみ バター……20g

[作り方]1. ボウルに卵を溶き、牛乳、塩を入れてしっかり混ぜる。2. フライパンにバターを入れ、弱火にかける。バターがすべて溶けたら1を注ぎ入れる。3. へらで底からこそぐように細かくかき混ぜる。一部だけ固まるなど、ムラを感じるようなら火から離し、濡れぶきんで少し冷ますなど調整を。 4. 全体がクリーム状にもったりしてきたら火から下ろす。

*調理の裏ワザ:ツヤを出すには、ひたすら弱火でじっくり加熱がポイント。「低温で時間をかけて加熱するほど、卵黄の中の油が染み出してツヤッツヤになる」(峯木教授)。へらは耐熱シリコン製が使いやすい。

ワクワク感が止まらない カルボナーラ・トースト

1人分 315kcal たんぱく質 19.2g

[材料(1人分)] 卵……1個 食パン(6枚or4枚切り)……1枚 生ハム(普通のハム)……4枚 粉チーズ……適量 黒コショウ……適量

[作り方]1. 生ハムを折りたたみ、食パンの中央に四角く囲みを作る。2. 卵を黄身と白身に分け、1の囲みの中にこぼれないように白身を流し込む。オーブントースターにプレートかアルミホイルを敷いてパンをのせ、3~4分焼く。3. 2のハムの囲みの中に粉チーズをのせ、中央にくぼみを作って黄身をそっとのせる。4. もう一度オーブントースターで2~3分焼く。皿にのせ、黒コショウを振る。

*調理の裏ワザ:しっかり固まった白身に、トロットロの黄身。この理想の状態を作るために、面倒でも白身と黄身は別々にのせること。生ハムがなければ、普通のハムやベーコン、マヨネーズでも“土手”は作れる。

片栗粉で失敗しない! だし巻きたまご

1人分 109kcal たんぱく質 6.6g

[材料(2人分)] 卵……2個 だし汁……100ml 砂糖……小さじ1 薄口しょうゆ……小さじ1 片栗粉……小さじ1 油……適量

[作り方]1. 卵を溶き、だし汁、砂糖を加えてよく混ぜる。薄口しょうゆで片栗粉を溶いて卵液に加えて混ぜる。2. 小さな容器に油を入れ、キッチンペーパーを小さく折りたたんでつけておく。卵焼き器を中火にかけ、キッチンペーパーで全体に油をなじませる。3. 菜箸の先で卵焼き器に卵液をつけて「チュッ」と音がするくらいまで温まったら、よく混ぜた卵液60ml程度を注ぐ。卵焼き器を傾けながら卵液を広げ、固まってきたら奥から手前へと菜箸で巻いていく。4. キッチンペーパーで油を引き、卵を奥に移動させて卵液を注ぎ、全体に広げる。このとき、菜箸で卵を少し持ち上げて卵の下にも卵液が入るようにする。5. 固まってきたら奥から手前へと巻く。この工程を繰り返せば出来上がり。

*調理の裏ワザ:失敗しない秘密兵器は片栗粉。まとまりやすいだけでなく、卵の中にしっかり水分を閉じ込めてふるふるに仕上げてくれる。だし汁が卵と同じくらいたっぷり入っていても大丈夫。ていねいに巻けばキレイにまとまる。

まん丸お月様のよう 卵黄のしょうゆ漬け

1個 67kcal  たんぱく質 3.2g

[材料(4個分)] 卵……4個 しょうゆ……80ml だし汁……40ml

[作り方]1. 卵は黄身と白身を分けておく。2. 鍋にしょうゆ、だし汁を入れ、ひと煮たちさせ、そのまま冷ます。3.2が冷めたら、黄身を入れて冷蔵庫で1~3日置く。ときどき転がすと、まんべんなく味が染みる。

*黄身の中にうまみをぎゅっと凝縮。そのまま酒のさかなにもなるが、ご飯にのせて崩して食べるのもお薦め。

*調理の裏ワザ:保存は必ず冷蔵庫で。漬ける時間が長くなるほど、黄身が固くなってしまうので、3日ほどで食べきりたい。余った卵白は捨てたりせず、スープや味噌汁、オムレツ、チャーハンなどに使ってしまおう。

何度でもトライしたい! とろふわオムレツ

1個 276kcal  たんぱく質 13.1g

[材料(1人分)] 卵……2個 牛乳……大さじ1 塩……ひとつまみ バター……15g

[作り方]1. ボウルに卵を溶き、牛乳、塩を入れてさらに混ぜる。2. フライパンにバターを入れ、中火にかける。バターがすべて溶け、ふつふつし始めたら1をすべて注ぎ入れ、フライパンを前後に動かしながら、全体が均一に半熟になるまでへらでかき混ぜる。3. 全体が半熟になってきたら弱火にし、へらを使って卵をフライパンの奥に寄せてまとめる。4. 下の面が固まったら、鍋を手前に傾けながら、へらを使ってやさしく卵を手前にころんと転がす。フライパンの手前の縁で継ぎ目部分を焼き固め、皿に盛る。

*調理の裏ワザ:樹脂加工のフライパンを使えば、卵がくっついてしまうことなく初心者でもうまく焼けるはず。中をムラなく均等な半熟に仕上げたいなら、最初に卵液を細かく混ぜておくといい。失敗しても何度でも挑戦してみよう。

西山博さん
キユーピー 研究開発本部技術研究所チームリーダー。卵や乳酸発酵卵白の機能研究に携わる。「卵の機能性研究はまだこれから。海外の疫学調査では、卵を日常的に食べている人は認知機能が下がりにくいという報告も」
峯木眞知子さん
東京家政大学大学院 栄養学科 教授。東北大学大学院農学研究科修了。共立女子大学、東京医療保健大学などを経て2010年より現職。卵の栄養や調理による構造変化が主な研究。タマゴ科学研究会理事。農学博士、管理栄養士。
松浦達也さん
(撮影:福岡拓)
「食べる」「つくる」「ひもとく」を軸に、食専門誌から週刊誌、テレビ、ラジオなどで活躍。食の仕組み、科学目線の調理法を探求し、これまでに9000個以上の卵を使い、ベストの調理法を探求し続ける。著書に『大人の肉ドリル』『新しい卵ドリル』(ともにマガジンハウス)など。

(ライター 堀田恵美、料理&レシピ作成 松浦達也、スタイリング 久保田朋子、栄養計算 内山由香=食のスタジオ、写真 鈴木正美)

[日経ヘルス 2017年7月号の記事を再構成]

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