夏シャツのシワ問題 解決策はアイロンよりスチーマー

「家事をまったくやったことがない男性でも、正しく家電製品を選べば必ず家事ができるようになる」――家電コーディネーターの戸井田園子さんはそう断言する。家事は家族に任せっきりだった男性・秋葉けんたは家事メンになれるのか。今回取り上げるテーマは「シャツのシワ問題」。この問題を解決してくれるのは、アイロンではなく「衣類スチーマー」だ。
夏シャツに多いシワ問題
妻が異動で忙しくなったわが家。この機会に、妻に任せきりだった家事に挑戦することにした。前回の「部屋干し派の味方 半乾きをライトで教える除湿乾燥機」で洗濯除湿乾燥機を導入し、「洗濯物が乾いているのか分からない」問題は解決できた。しかし、新たな問題も出てきた。一部のワイシャツを洗濯・乾燥させるとシワになってしまうのだ。
秋葉けんた(以下、けんた) 衣替えしたら、洗うとシワになるシャツが何枚かでてきてしまいました。出勤する直前にシワに気づいたりするんですよね。
戸井田園子(以下、戸井田) 夏物の服は、綿や麻などシワになりやすい素材を使っているものが多いので、シワができやすいんです。
けんた 冬のシャツは形状記憶のシャツばかりだったので、シワを気にしてこなかったのですけど、夏のシャツはそうじゃないものも残っていて……。夏のシャツも全部、ノーアイロンシャツに替えちゃおうかとも思ったのですが、妻のシャツはそうもいかず。このシワ問題、家電で解決できないでしょうか。
戸井田 「衣類スチーマー」(以下、スチーマー)で解決しましょう!
けんた スチーマー? アイロンではなくて?
戸井田 スチーマーとは、吹き出し口から高温の蒸気を出してシワを伸ばす家電です。アイロンのようにプレスする必要がないので、初心者でもすぐに使えます。日本ではあまり認知されていませんが、海外ではビジネスホテルに設置されているほどメジャーな製品で、自宅で気軽に洗えないスーツの消臭や除菌に使っている人もいますよ。
けんた スチーマー、わが家に必要です! 製品選びのポイントを教えてください。
戸井田 1つは、蒸気の量。蒸気が多ければ多いほど、短い時間でシワがとれます。次に、プレス機能。袖口や襟をビシッと仕上げたいときは、アイロンのようにプレスする必要があります。
けんた おすすめ機種はありますか?
戸井田 蒸気の量で選ぶなら、ティファールの「アクセススチーム」。プレス機能も欲しいなら、パナソニックの「NI-FS530」がおすすめです。


すばやくシワを伸ばすティファール
けんた 早速試してみました!
戸井田 いかがでしたか?
けんた アクセススチームは、ワイシャツに蒸気を当てるだけでみるみるシワが取れていくので、感動しました。短時間できれいになるので、出勤前にサッとシワを伸ばして出かけられます。

戸井田 消臭効果は感じられました?
けんた はい。飲み会でついたたばこの臭いもとれてスッキリしました。でも、どうして蒸気が臭いを取ってくれるんですか。
戸井田 実は、スチーマーも消臭剤も、消臭の原理は同じ。衣類についた水分が蒸発するときににおい成分を吸着することで、消臭します。この原理を使って、ジャケットをお風呂場に干して臭い取りをする人もいますね。
けんた ただ、アクセススチームにはひとつ問題が。水タンクに185mlの水が入るので、連続10分以上使えるのは良かったのですが、重量が1kg近くあるので、しばらく使っていると腕が疲れてしまって……。

びしっと仕上げるならパナソニック
戸井田 NI-FS530の使い勝手はどうでした?
けんた アクセススチームよりも蒸気が少ないので、ゆっくりと蒸気を当てながらシワを伸ばしていきます。
けんた タンクに入る水の量は50mlとアクセススチームより少ないため、連続使用は3~4分、シャツ1~2枚でした。
戸井田 でも、急いでシワを伸ばしたいという使い方なら、1~2枚で十分では?
けんた 確かに、そうですね。そういえば、使っていて腕が疲れることはありませんでした。使用時間が短い上に、重さは700g程度と軽めだからでしょうか。
戸井田 プレス機能はどうでしたか?

けんた シワを伸ばしたあと、気になる部分だけプレスすればいいので、アイロン初心者の僕でもうまく仕上げられて満足でした! うちのアイロンだと、すぐにアイロンジワができてしまうのに……なんでだろう?
戸井田 そのヒミツは、形にあります。アイロンは船型形状が一般的ですが、NI-FS530はラグビーボール状のダブルヘッド仕様。つまり、どちらに動かしてもちゃんとプレスができる形になっているんです。だから、アイロンに慣れていない人でもアイロンジワができないんです。

けんた なるほど、そのあたりも気にしながら、もう少し使ってみます。
手軽に行くか、じっくり取り組むか
けんた 戸井田さん、先日のアドバイスを参考に、2つの製品を一週間使って比べてみました。
戸井田 どちらを選ぶことにしましたか。
けんた スチーマーとして考えると、アクセススチームのほうがいいですね。蒸気の量が多く、長時間使えるので、シワ伸ばしだけでなく、消臭用や簡易洗濯代わりにも使えそうです。
戸井田 じゃあ、買うのはアクセススチーム?
けんた そこが悩みどころで……。実は、2機種を試用しているうちに、「襟や袖をぴしっとプレスしたい」欲が高まってきているんですよ。そうなるとNI-FS530がいいのかなと……。
戸井田 確かに、サッとシワを伸ばしたいのか、じっくりと取り組みたいのかによって、どちらのスチーマーがいいのか変わってきますね。
けんた NI-FS530を使ってみて、僕は衣類をプレスする仕事が好きなのかもしれないって思うようになったんです。みるみるきれいになっていくので、とても気持ちがよくて。だからNI-FS530にしようと思います。
戸井田 実は、アイロンをビシッとかけるには、ある程度の力が必要なので、男性が向いているといわれています。クリーニング屋さんでアイロンをかけている人を見ると、男性が多いでしょう?
けんた なるほど。今度、クリーニング屋さんに行って、どんなふうにプレスしているか見学してきます!
戸井田 (そこまでしなくても……)

(監修 戸井田園子、文 秋葉けんた、イラスト 岡山進矢)
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