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浴衣に自信 優雅に見える夏の所作とマナー

2017/7/11

PIXTA

 知っているようで意外に知らないのが、和装の所作。夏は浴衣を着てお祭りや花火大会に行く人も多いでしょう。夏の和装で心得ておきたいことについて、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに伺いました。

■女性は丈を長めに 歩き方、しゃがみ方に気を配って

 日本には、祝儀袋やふろしきといった「包む文化」、水引などの「結ぶ文化」があります。体を包み、帯で結ぶ着物(和装)も、まさに日本文化そのものです。また、和の所作とは相手に対する敬意や思いやりが込められたものでもあります。今年4月に放送されたドラマ「女の勲章」(フジテレビ系列)で和装や水引が登場するシーンがありましたが、「個々の所作によって相手への敬意を表現したい」という監督の思いをくみ、女優さんたちに所作とマナーの指導を行いました。

 日常で着物を着る機会が少なくなった現代ですが、近年は気軽に和装を楽しもうという動きもあります。中でも、気軽に着られる夏の浴衣は、男女ともに年々人気が高まっているようです。浴衣で花火大会を楽しむカップルの姿も目にすることが多いですね。

 ただ、普段着慣れていない分、知らず知らずにふさわしくない着方や動作をしないよう気をつけたいものです。浴衣はもともと下着、寝巻き、湯上がり着といった格のものなので、着て外出する際には留意したいマナーがあります。

 例えば素肌ではなく肌じゅばんなどを身につけ、補整も入れて形を美しく整え、外出着としてふさわしい着こなしをしましょう。

 次に、浴衣の丈です。女性はくるぶしが隠れる程度の長さにすると上品で、それよりも短いと子どもっぽい印象になります。男性は、くるぶしにかかる程度が一般的です。浴衣を選ぶときは、女性は身長と同じか、3センチほど長めのものを、男性は身長より30センチほど短い丈を目安にするとよいでしょう。「女性は、おはしょりを作るため長めのものを選びましょう」(全日本きものコンサルタント協会会員・下玉利礼法きもの教室講師の下玉利洋子先生)

 細く見せたいからとウエストを締め過ぎては美しく着ることができません。着物を着るときはAラインにならないように気をつけます。男性は「着物は腰で着る」といわれています。浴衣も同様ですので、腰でしっかりと帯をしめると格好がいいです。

 歩き方は、女性は内股にすることを意識しすぎると、体全体が左右にくねくねしてしまいます。歩くときはがに股にならないよう、一本の線の左右をまっすぐ歩くようにすると美しいといわれています。

 歩きにくいときは、両膝を軽く外側に向けて一度中腰になると、帯から下が崩れずにゆるくなるので、歩きやすくなります。ぜひ一度、試してみてください。

 金魚すくいをしたり、ものを拾うためにしゃがんだりするときは右足を半歩後ろにひき、頭から腰はまっすぐの姿勢で、腰を下ろしていきます。戸外であれば右膝は地面にはつけませんが、室内であれば床につけたほうが安定するので安心です。

■扇子は自分の側に引き寄せて開く

 テーブルの上にあるものを取るときや、つり革に手をかけるとき、受話器や携帯電話を持って話したりするときは「動かす腕の袖口をもう一方の手で軽く押さえたりつまんだりすると奥ゆかしくエレガントな印象になります」(和のマナーにくわしいマナー講師の類家三枝子先生)。同時に、たもとを汚したり腕が露出したりするのも防げます。

 浴衣を着て、涼をとるために扇子やうちわを使うときにも気をつけたいことがあります。通常は顔のあたりで風を起こしますが、お祭りなど大勢の人の中にいるときは周囲の迷惑になる可能性もあります。浴衣など着物を着ているときは、袖口から腕やわきに向けて風を起こすのがマナーです。

 「着物は、体に風を通しやすい構造になっています。扇子を使う際も、周囲に迷惑をかけないマナーの精神で、着物本来のよさを生かしたいものです」(下玉利先生)

 扇子を手に取るときは、扇子の要(かなめ)を右側に置いた状態で、中央部分を上から右手で持ち上げ、左手で下から支えて、右手を右端にずらします(利き手が右の場合。利き手が左の方は逆の動作となります)。開くときは下から持ち、手前にある端を自分側に引き寄せて開くのがマナーある開き方となります。扇子の親骨を相手側に向けて開くと、危険だと受け取られる可能性がありますのでひかえるのがよろしいでしょう。

 和のマナーは奥深くて難しいと感じることもあるかもしれませんが、ひとつひとつの動作には相手に対する気持ちが込められています。背筋を伸ばして気持ちもまっすぐになれる和装に末広がりの意味もある扇子をたずさえ、互いにプラスをもたらす真心マナーで、暑くても心はさわやかにお過ごしになりますよう願っています。

西出ひろ子
 マナーコンサルタント・美道家。英国の民間企業WitH Ltd.ウイズ・リミテッド日本支社代表を務めたのち、ヒロコマナーグループの代表として、ウイズ株式会社、HIROKO ROSE株式会社、一般社団法人マナー教育推進協会を設立。企業などでの研修・コンサルティング、マナーを軸に健康、美容、ファッションなどトータルな人材育成、人材プロデュースを行う。「日本文化をもっと気軽に日常に!」をコンセプトにMade in JAPANのフォーマルバッなどもプロデュース。NHK大河ドラマや映画などのマナー、所作指導も行う。著書は70冊以上、累計100万部以上。

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