登るのは時間がない、自信がない、登山シーズンではない時に来た、でも美しい富士山を見たいという外国人もやはり多いのです。
富士山は周囲に山がなく、ほぼ完璧な円錐形をしていて、場所によっては長い裾野の端まで眺められます。シャウエッカーによれば、海抜0メートルに近いところから頂上の3776メートルまでを一度に見られるのもすばらしいのだそうです。世界の有名な高い山々は、観光ベースとなる場所が既に標高の高い地点であることが多く、たとえ4000メートル級であってもその高さをあまり感じない場合があるそうですが、富士山は3776メートルの高さをそのまま感じられる山なのだとか。
ジャパンガイドには「From where to view Mount Fuji」というページがあり、飛行機内、新幹線の車内、東京都内からも含め、約20カ所のビューポイントを紹介しています。また、富士山の総合情報ページに「TOP5 Mt.Fuji」という動画を新たに設置し、上記の情報がコンパクトに見られるようになりました。


英国人記者サム、ファミリー富士登山にトライ
社員で記者のサムは、昨年英国から来た両親のたっての希望で、家族で富士山に登りました。両親2人とも特に登山が趣味というわけではないそうですが、ハイキングは大好きで、写真などで見て富士山にぜひ登りたいと思っていたそうです。
ご両親のリクエストに応えて、サムが奮闘。まず1泊2日のスケジュールをたてました。八合目の山小屋を予約するために、ジャパンガイドの宿泊所リストの上から順に電話。まだ日本語がそれほど堪能ではない彼にとって、電話はかなり高いハードルです。しかも8月だったので満室で断られることが多かったのですが、4軒目でやっとOK。自力で予約ができました。
当日は山小屋に午後5時ごろに到着し、夜中の12時に出発。頂上近くはかなり寒く、手袋が必要になったとか。妹さんが少し気分が悪くなったそうですが大事には至らず、全員無事に山頂に到達し、ご来光を眺められたそうです。みんな大満足。サムも親孝行ができました。
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富士登山をする外国人は、訪日観光客自体の増加にともない、今後も増えていくであろうと予想されます。しかし、現在でも人が多過ぎ、環境保全上の問題点も多々あります。2014年からは任意で入山料(保全協力金)の徴収が始まりましたが、将来的には入山規制の導入も検討されているようです。
世界中から訪れる人々が富士山頂を目指す9月10日までの2カ月。山のルールとマナーを守って、富士登山を楽しんでいってほしいものです。
