7月1日、今年も富士山の山開きが行われました。富士山の知名度は海外でも圧倒的。継続的な調査データはないものの、富士山を訪れる外国人は確実に増えている模様で、一説には登山者の約3割が外国人ともいわれています。ジャパンガイドの外国人社員たちも全員、仕事ではなくプライベートで登ったことがあります。
世界文化遺産にも登録されている富士山は、日本人にとっても憧れの山。外国の人たちにはどのように映っているのでしょうか。
スイス人の夫、初めての富士登山
夫のシャウエッカーによると、富士山は世界でもTOP10に入るほどの有名な山。インターネットのランキング・サイトでは、世界の山々の中で富士山が上位に登場するものがいくつも見受けられます。例えば「Top 10 most famous mountains in the world」「The world's 10 most-climbed mountains」といったカテゴリーで、標高ではなく姿の美しさや、比較的登りやすいといった点で評価が高いようです。
「日本のことは、バンクーバーで日本人と知り合うまであまり知らなかった」というシャウエッカー自身も、なぜか小さいころから富士山を知っていたとか。写真でよく目にしていたらしく、もちろん将来は登ってみたいと思っていたそうです。
そんな思いがあったシャウエッカーですから、日本に移住した翌年の2004年、7月中旬の平日にさっそく富士登山を決行。私は一度登った経験があったので、八合目で1泊して頂上のご来光を目指すという無理のないプランを薦めました。
既にいろいろリサーチしていた彼は「富士山には外国人が多い」と言います。私は「そんなワケないでしょ。日本人のほうが多いはず」と言い張っていたのですが……。
新宿からのバスは、乗客は少なかったものの、外国人のほうが多かったのです。八合目の山小屋ではさらに外国人比率が増し、10人くらいの中国人ツアー、米国人の4人家族、英語で話している女子学生3人のバックパッカーが一緒で、日本人は見たところ私だけ。
夜中の2時に出発し、山小屋の外に出ると、もうかなりの人が下から登ってきていて、すごいにぎわいでした。しかし聞こえてくるのはフランス語ばかり。大きなツアーグループがいたのです。ここでも、完全な敗北感を味わう私。正直、これほどまでに多いとは思いませんでした。

頂上までの登山道では、高山病なのか休んでいる人をたくさん見かけましたが、幸い私たちは大丈夫でした。2度目という経験とガイドブックやインターネットの情報に感謝。頂上から眺めたご来光はすばらしいものでした。