ペターッと前屈で若返る レベル別・硬いもも裏を解消

猫背で歩いている姿はなんだか老けて見える。原因は、硬くなったもも裏の筋肉「ハムストリングス」にある。ここが硬いと骨盤が後傾し、姿勢が悪くなってしまう。「老け見え」は、ハムストリングスの柔軟性を高める前屈で解消しよう。
姿勢に関わる筋肉、前屈ならまとめて伸ばせる
「老け見え」の悩みは、「前屈で解消する」。こう話すのは、パーソナルトレーナーの谷けいじさん。前屈ができない原因はカチカチに固まった筋肉。なかでも、もも裏のハムストリングスが硬い。「前屈をすると、ハムストリングスを中心に背中やお尻の柔軟性をまとめて一度に高められ、骨盤のゆがみも改善。きれいな立ち姿や歩き方になれる」(谷さん)
前屈で若見え姿勢に変わるために、まず、自分の前屈レベルをチェック。レベルに合ったストレッチから始めよう。「毎日5分続けるだけでも、2週間で効果が出る」(谷さん)。目標はもも裏のしなやかな「前屈マスター」だ。既に前屈マスターの人も「座りっぱなしの生活が続くとハムストリングスは硬くなる」(谷さん)。筋肉の柔軟性を維持するために、レベル4の人と同じメニューを続けよう。
【あなたの前屈レベルはいくつ?】
背すじを伸ばして足先をそろえて立ったら、ひざを伸ばしたまま、反動をつけずゆっくり上体を倒し、「これ以上は無理」という姿勢で止まる。5秒間キープできれば、それが前屈レベル。


若い体の決め手はハムストリングスの柔軟性

ハムストリングスとは、もも裏にある4つの筋肉の総称で、骨盤の坐骨と大腿骨からひざの下の裏側へとつながっている。歩く、走るときにひざを曲げるように働く。硬く縮んでいると、股関節が曲がりにくく、前屈がしにくい。
ハムストリングスが柔らかく、弾力性があると、骨盤は正しい傾きをキープできる。自然と背すじは伸び、姿勢が良く見える。脚全体をスムーズに動かせるため、しっかり足を上げて、歩幅が広く、歩き姿も若々しくなる。ハムストリングスが硬く縮こまると、骨盤が下に引っ張られて、後傾し、猫背になり下腹がぽっこり出る「老け見え」姿勢になる。
(次ページから、前屈レベル1~4別にハムストリングスに効くストレッチを解説)
【全レベル共通 筋肉をほぐす準備運動】
前屈をしにくい人はハムストリングス以外の筋肉も硬くなっていることが多いので、全身の固まった筋肉をほぐすと、各メニューの効果が出やすくなる。レベルに関係なく、毎日行いたい。
つま先ジャンプ
「筋肉は揺らすとほぐれる性質がある」(谷さん)。つま先を床につけたまま、かかとをリズミカルに上下させる「つま先ジャンプ」で体を揺らそう。8カウントを8回くり返す。

1.両足裏を床につけて、背すじを伸ばして立つ。ひざを曲げて沈み込む。2.「1、2、3、4……」とリズムを取りながら、つま先を床につけたままジャンプする。つま先を床から離して跳び上がらないように注意。
片脚伸ばし前屈
片脚伸ばし前屈は、硬く縮こまったハムストリングスをほぐす効果がある。太ももの裏側とお尻が伸びていることを確認しよう。左右1回ずつ3セット行う。

1.背すじを伸ばして立ち、肩の力を抜き、顔は正面を向く。左足を一歩前へ踏み出す。2.両手を左ひざの上に置き、お尻を後ろに引いて上体を前へ倒す。左のもも裏を伸ばして20秒間キープ。右側も同様に。
【レベル1と2の人:目標はレベル3! もも裏以外の筋肉をほぐす】
レベル1と2の人は「全身の筋肉が固まっており、ハムストリングスだけ柔らかくしても効果は少ない。まずは前ももとふくらはぎの筋肉を柔らかくしたい」(谷さん)。
アキレス腱伸ばし
しゃがむのが苦手な人はここが硬くなっているかも。アキレス腱のストレッチで、ふくらはぎにある「腓腹(ひふく)筋」と「ヒラメ筋」が伸びる。左右1回ずつ3セット行う。

1.背すじを伸ばして立ち、肩の力を抜いて、右足を後ろへ大きく引く。両足とも足裏全体を床につける。2.左ひざを前へ突き出すように曲げて、右のアキレス腱を20秒間伸ばす。左側も同様に。
※上半身が前に倒れたり、アキレス腱を伸ばしているほうのかかとが床から浮いたりすると正しく伸びないので注意。
前もも伸ばし
前ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)はハムストリングスと反対の働きがあるペアの筋肉。「前ももを柔らかくすると、ハムストリングスが伸びやすくなる」(谷さん)。左右1回ずつ3セット行う。

1.背すじを伸ばして立つ。イスの背などに右手を置いて、肩の力を抜く。2.左手で左足のつま先をつかみ、お尻にかかとをくっつけ、左脚の付け根と前ももを20秒間伸ばす。右側も同様に。
※立っているほうのひざや背中が曲がってしまうと、大腿四頭筋がしっかり伸びず、ストレッチ効果が期待できないのでNG。
【レベル3の人:目標はレベル4! お尻ともも裏を柔らかに】
レベル3では、いよいよ「足首つかみ前屈」で直接、ハムストリングスにアプローチ。同時に、「あぐら前屈」でお尻と外ももを伸ばす。筋肉が気持ちよく伸びていることを感じたい。
あぐら前屈
あぐら前屈では、お尻の大殿筋と中殿筋を伸ばす。左右1回ずつ3セット行う。息を吐きながら行うと、筋肉が伸びやすいので、息を止めないよう注意して。

1.背すじを伸ばしてイスに浅く座り、左足を右太ももにのせる。右手は左足の内くるぶしに、左手は左ひざに置く。2.息を吐きながら脚の付け根から上体を倒し、お尻が伸びているのを感じて20秒間キープ。右側も同様に。
※上体を倒したときに背中が丸くなると、期待するストレッチ効果が得られなくなってしまう。
足首つかみ前屈
前もも、お尻の筋肉の柔軟性がアップしてきたところで、もも裏のハムストリングスを伸ばして、柔らかくしていこう。お尻の大殿筋、ふくらはぎの腓腹筋も伸びる。10回行う。

1.足を肩幅ぐらいに開いて立ったら、かがみながら両ひざを曲げ、両手で両足首をつかむ。2.両足首をつかんだまま、ゆっくりとお尻を上げ、できるところまでひざを伸ばす。その状態を20秒間キープする。
※ハムストリングスの伸びを感じられるようになったら、最終的には両ひざが真っすぐになることを目指そう。
【レベル4の人:目標は前屈マスター! もも裏をさらに柔らかく】
ハムストリングスを中心に、さらにストレッチを行っていこう。「放っておくと筋肉は硬くなってしまうので、床に手のひらがつく前屈をできるようになっても続けていきたい」(谷さん)
足開き前屈
主にハムストリングスを伸ばすストレッチだが、同時にお尻の大殿筋、背骨の両側を走る脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、肩甲骨下の広背筋(こうはいきん)も伸びる。前と左右1回ずつ3セット行う。

1.肩幅より広めに足を開いて立つ。背すじを伸ばして、肩の力を抜く。2.大きく息を吸って、息を吐きながらゆっくりと上体を前に倒して、両手のひらを床につける。ひざはしっかり伸ばす。20秒間キープ。3.1の姿勢に戻り、上体を左側に倒して、両手を重ねて左のつま先につける。20秒間キープ。4.1の姿勢に戻り、上体を右側に倒して、両手を重ねて右のつま先につける。20秒間キープ。
座りもも裏伸ばし
座りもも裏伸ばしで、もも裏のハムストリングスを左右に分けてストレッチ。ハムストリングスに加え、ヒラメ筋や腓腹筋の柔軟性が高まる。左右1回ずつ3セット行う。

1.床に座ったら、右脚を真っすぐに伸ばし、左脚を曲げて足裏を右太ももの内側につける。両手のひらを重ねて右ひざの上に置く。2.大きく息を吸って、息を吐きながら脚の付け根から上体を前へ倒していく。その姿勢で20秒間キープ。ひざが曲がらないようにする。
※前屈マスターは、つま先をつかみ、より深く上体を倒そう。強度がアップし、さらにハムストリングスが伸びるのを感じられるはず。

(ライター 海老根祐子、イラスト 三弓素青、構成 岡本藍=日経ヘルス)
[日経ヘルス 2017年7月号の記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
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