院卒・メーカー総合職35歳「10年間恋人がいません」[川本麻里さん(仮名) 第1回]

あるとき、その掲示板のオフ会が大阪で開かれることに。伸也さんからはネット上で写真も交換しており、オフ会の前からアプローチを受けていました。なかなか積極的な男性ですね。

「俳優の阿部寛やオダギリジョーに少し似ている、濃い顔のオシャレな人でした。自分がカッコいいこともわかっている様子です。でも、声がかん高くて動きも変なので、オフ会では『これはモテないね』とみんなに笑われていました。私もすごく気に入ったわけではなかったけれど、嫌なタイプではなかったです。彼はそのまま私の部屋に泊まりました」

「当時のワガママな自分を叱ってやりたい」

直接会うのは初めての男性を部屋に入れるなんて大胆ですね。今日まで10年間も恋人がいない女性とは思えない行動力です。しかし、この伸也さんとの遠距離恋愛は半年間で終わってしまいます。

「私が振られてしまいました。当時の私は、すごくワガママで他人を思いやらない人間だったからだと思います。受け身なくせに、お膳立てしてもらったことに文句をつけて『面白くない』とすねてしまう。最悪ですよね。彼から『(人生は)自分の力で面白くするものだよ』と諭された記憶があります」

若い頃、特に学生のうちは恥ずかしい思い出がたくさんありますよね。自信も実力もないけれどプライドだけは高いので、人の気持ちを踏みにじるような言動をしてしまいがちです。若いってそういうものなのだと思います。後から少し反省して、30代以降は気をつけるようにすればいいのではないでしょうか。

「そうですね。当時の自分を叱ってやりたいです」

25歳のときに現在の会社に入社した麻里さん。昼夜逆転の生活は一変し、7時前には起床して身支度をして出社する一人暮らしを続けています。担当商品の開発から生産までを一人で管理する業務。責任重大です。繁忙期は月に30時間ほど残業しています。この環境でもまれてきたからこそ、現在の麻里さんは「ワガママ」を脱することができました。人は仕事で磨かれるんですね。そして、麻里さんは職場で好きな人を見つけます。続きはまた来週。

大宮冬洋
フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに就職。1年後に退職、編集プロダクションを経て02年よりフリーに。著書に『30代未婚男』(共著/NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)など。電子書籍に『僕たちが結婚できない理由』(日経BP社)。読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京もしくは愛知で毎月開催中。
ライター大宮冬洋のホームページ http://omiyatoyo.com/

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