ファッション雑誌や新聞でよく目にする「今シーズンのトレンド」といった言葉。トレンドをほどよく取り入れて旬なビジネススタイルを身にまといたいものですね。しかしトレンドとはいったいいつ、どこで、誰が決めているのでしょうか? 今回はメンズファッショントレンドについて詳しくお話ししましょう。
■トレンドは色から決まる
1. 色=2年前に決定
世界各国の流行色協会の専門家が年2回集まる「インターカラー」で2年先の流行色を決定します。これを再度各国に持ち帰り、日本では、私が選定委員のひとりを務めている日本流行色協会の「メンズカラー選定会議」で、シーズンカラーパレット(色見本)を最終決定して、国内に発表しています。
2. 素材=1年前に決定
この流行色を参考にして服飾生地がつくられ、素材の世界最大級の見本市「プルミエール・ビジョン(PV)」がパリで、「ミラノ・ウニカ(MU)」がミラノで、それぞれ年2回、シーズンの1年前に開催されます。
3. 製品=半年前に決定
素材見本市で買い付けた生地を使い、各アパレルメーカーが製品サンプルを展示して、バイヤーから受注するのが製品展示会です。商品が店頭に並ぶ半年前に開かれます。
この時点で初めて洋服の形になるので、いわゆる「トレンド」がしっかりと把握できるのです。
世界には数多くのメンズ・レディースファッションの展示会がありますが、最大級のメンズ製品展示会であり最も権威があるのが、イタリアのフィレンツェで開催される「ピッティ・イマージネ・ウオモ( PITTI IMAGINE UOMO )」です。
世界中のアパレル会社が出展し、それを買い付ける百貨店、セレクトショップのバイヤー、取材・撮影するジャーナリストが世界各国から集結する、いわば「メンズファッションの祭典」です。
年に2回開催され、1月は次シーズンの秋冬物、6月は翌年春夏物の展示会となります。ピッティ・ウオモの情報はビジネスシーンのトレンドに大きな影響を与えるので、非常に重要視されているのです。