トレンドのカラクリ 旬はスリーピース、ベージュタイファッションコンサルタント / 評論家 黒部和夫

2017/7/5

■ピッティ・ウオモで見つけた最新トレンド

今年も6月13日から16日まで、2018年春夏向けピッティ・ウオモが開催されました。会場をくまなく見てまわったところ、ビジネスファッションの全体的な傾向として、以下の5つの点が気になりました。

イタリアブランド「ラルディーニ サルトリア」のディスプレー。左は光によって見え方が変わる「ソラーロ素材」を使用したスーツ

1. 正統派英国調への回帰

従来の艶のあるイタリアンファッションから、古典的なブリティッシュスタイルへの揺り戻しが、2017年春夏物に比べさらに顕著に現れています。

2. ボリューム感の変化

特にボトムスの変化が顕著で、1プリーツや2プリーツを入れて腰回りにゆとりを入れたパンツが拡大しています。日本でも1980年代はプリーツ入りのパンツが一般的でした。当時と違う点は、裾に向かって細くなり短めのシルエットです。

3. クラシックなアクセサリーの復活

ブレーシス(米語ではサスペンダー)、カフリンクス、タイバーなど1980年代にはやった古典的英国調アクセサリーが復活しています。スーツの変化でシャツ、タイ、アクセサリーも変化しているのです。

4. 色、素材、柄の変化

ではチョコレートブラウンからベージュにかけてのブラウン系と、オリーブグリーンなどのナチュラルカラーの拡大が顕著です。来場者のコーディネートでもブラウン系、グリーン系が多く目立ちました。

素材ではコットン、リネン、表面感のあるローシルクなどが拡大しています。ウールでもイタリアで「ソラーロ」、英国や米国では「サンクロス」と呼ばれる玉虫色の光沢素材の提案が目立ちました。

では「オールドイングリッシュパターン」と呼ばれるストライプ、グレンチェック、ハウンドトゥ―ス、ウインドペーンなどの英国古典柄に加え1980年代にはやったオルタネートストライプ(色や太さが異なるストライプを交互に配した柄)も登場しています。また一方、無地の提案も増えています。

5. ビジネスファッションに新潮流

ラルディーニ サルトリアのオルタネートストライプのダブルブレストスーツ

スーツでは、スリーピーススーツ、これにダブルブレストベストを組み合わせた提案が増えています。それとダブルブレストスーツが増加しています。チェンジポケットやシングルピークドラペルが増えているのも英国調デザインの影響です。

ジャケットでは、ジャージー素材のジャケットが相変わらず多いですが、逆にメタルボタンのブレザーが新鮮でした。ベージュやオリーブグリーンのコットンやリネンのセットアップも強く打ち出されています。

トラウザーズ(パンツ)ではワンプリーツ、ツープリーツが拡大、ベルトレス、サイドエクステンション、内側に6個のサスペンダーボタンを付けた英国調のデザインがトレンドです。

ワンプリーツのリバースプリーツパンツ、ベルトレス、サイドエクステンション、サスペンダーの装いで、トレンドを先取りしたピッティ・ウオモの来場者

ドレスシャツではタブカラー、ラウンドカラー、ピンホールカラーなどクラシックでシャープなVゾーンを作れる衿(えり)型が注目されています。

ネクタイでは、スーツに合わせてチョコレートブラウンからベージュのブラウン系が増加しています。ストライプでは色ごとに織り方を変えたものが、ミラノの北に位置するネクタイ生地産地、コモのトレンドです。プリントタイの復活も目立っていました。

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