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キャリアコラム

将棋界に新スター、中村新王座は早大出身の秀才棋士

2017/7/1

中村太地六段

 第65期将棋王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第4局は後手の挑戦者、中村太地六段(29)が羽生善治王座(47)を破り、対戦成績3勝1敗で王座のタイトルを奪取した。最年少プロ棋士の藤井聡太四段が火をつけた空前の将棋ブームの中で、初タイトルを獲得した中村新王座。新たな若手のスターが誕生した格好だ。早稲田実業学校中等部・高等部を経て早稲田大学政治経済学部を卒業した中村六段。高学歴の秀才棋士として知られるが、7月、棋士という職業について聞いた記事を再掲する。

■小学6年生で奨励会と早実の受験

 「将来はプロ棋士になりたい」。中村六段が親にそう打ち明けたのは小学校6年生の時だった。将棋は4歳のころから父親に教わり、めきめきと頭角を現した。だが両親は「気持ちは分かったが、とにかく大学には行きなさい」と諭した。将来に不安を感じただけではなく、将棋界にどっぷりつかり、人間として視野が狭くなることを恐れた。中村六段は当面、二足のわらじを履くことを決め、6年生の夏にプロ棋士の予備軍となる「奨励会」を受験して合格、半年後には早実にも挑戦して進学を果たした。米長邦雄永世棋聖門下として修業と勉学に励んだ。

 プロ棋士になるのは至難の業だ。将棋人口は全国で400万~500万人ともいわれるが、奨励会は狭き門だ。会員は現在約140人。受験の倍率は3~4倍だという。師匠について将棋の修業をするが、「師匠のなかには、弟子をとるときに小学校時代の算数の成績だけは確認するという人もいます。優れた『理系脳』がないと強くなれないからです」(日本将棋連盟関係者)。プロ棋士になる人は成績優秀な優等生が少なくない。藤井四段も愛知県の進学校、名古屋大教育学部付属中学校に通っている。ただ将棋優先となるケースが多く、学業との両立が難しくなる。

 早実に通っていた中村六段は「やはり将棋が忙しいので、友人によくノートを借りていました」という。奨励会からプロ棋士になれるのは5人に1人といわれる。現役のプロ棋士は約160人だ。プロ棋士になるまでに次々脱落するが、その後、医師になったり、エンジニアや金融工学の専門家になったりする人もいるという。中村六段は17歳、高2の時に念願のプロ棋士になった。一方で勉学にも励み、早大の文系最難関、政経学部に内部進学が決まった。

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