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レトロな北海道酒蔵巡りの旅 無料試飲や蔵元限定酒も

2017/7/1

「北海道産酒BAR かま田」の店主、鎌田孝氏は酒匠の資格を持ち、道産酒に詳しい(札幌市)

 これまで全国であまり注目されなかった北海道の日本酒。「ゆめぴりか」に代表される食用米同様、道産の酒造好適米(酒米)の品質が、品種改良や温暖化による生育環境の変化を背景に向上し、左党や専門家の間で見直され始めている。道内にある大手の酒蔵ではレトロな雰囲気の中で無料で試飲できるのはもちろん、蔵元限定の珍しい酒も手に入り、お土産にもなる。旅行や出張の合間に蔵をのぞいてみるのはいかがだろうか。

日本清酒が運営する「千歳鶴酒ミュージアム」では無料で試飲できる(札幌市)

 JR札幌駅からタクシーで10分、旅行者や出張者にも訪問しやすい酒蔵が日本清酒(札幌市)の「千歳鶴醸造所」だ。札幌市唯一の酒蔵で、近くにある直売所の「千歳鶴酒ミュージアム」は午前10時から午後6時まで営業し、入場は無料。同市中心部から近いこともあり、国内外の観光客がひっきりなしに訪れる。

 入館すると、日本酒の元となる仕込み水が出迎えてくれる。札幌南部の山々に200年の年月をかけて地中深くしみ込んだ伏流水で、酒造りに大敵の鉄分やマンガンを含まない。柄杓(ひしゃく)にすくって飲んでみると、まろやかで雑味が一切ない。

 店頭の試飲コーナーでは、様々な酒を無料で試すことができる。最近、人気急上昇中の純米大吟醸「瑞翔(ずいしょう)」(720ミリリットル、4114円)は道産酒米の「きたしずく」を使い、長期低温発酵で熟成した同社の自信作。2016年度の道内の新酒鑑評会で金賞を受賞した。フルーティーな香りで芳醇(ほうじゅん)な味わいだが、後味がすっきりとしている。

 道産酒米はきたしずくのほか、「吟風(ぎんぷう)」と「彗星(すいせい)」があるが、代表銘柄の吟風でも作付け開始は2000年と歴史が浅い。それでも近年は品質が向上しているため、道内蔵による道産米の使用比率は約6割まで上昇してきた。道外でも道産酒米を使用する蔵が出始めている。

 千歳鶴のミュージアムでは兵庫県産の最高級酒米「山田錦」を使った看板商品の「吉翔(きっしょう)」(同6480円)も人気だ。全国の鑑評会で、同社に8年ぶりの金賞をもたらした。限定酒も取りそろえる。訪日客も含めた一番人気は白い風呂敷に鶴をあしらった「千歳鶴」(同2828円から)。創業者の柴田與次右衛門の名前にちなんだ「與次右衛門」(同1543円から)は、調整用の水を加えていない原酒だ。

男山の「酒造り資料館」は年間19万人が訪れる観光スポットだ(旭川市)

 酒好きなら一度は訪れたいのが、「北海の灘(なだ)」と呼ばれた道内随一の酒どころ、旭川だろう。JR旭川駅は札幌駅から特急電車で約1時間半。駅からタクシーで北東へ20分ほど行くと道内最大手の酒造会社、男山(旭川市)に着く。酒蔵と一体になり、軒先に杉玉がつり下がっている「酒造り資料館」は1階が直売所、2~3階が資料館になっていて、冬場なら実際の酒造りを窓越しに見ることができる。

 来館者数は年間19万人を誇り、そのうち9万人が訪日客。外国人にも人気のスポットで免税対応もしている。男山は世界約20カ国・地域に日本酒を輸出していて、海外の酒類コンクールで40年連続金賞を受賞中。海外で有名なブランドだ。直売所では限定品も含め約30種類を無料試飲できるほか、5カ国語で対応している資料館は、昔の酒造りの道具をそろえるなど必見だ。

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