消える芸人、1位はお騒がせのあの人 笑えない結果に
好きな芸人 嫌いな芸人 2017
2017年版の「今年で消えると思う芸人」で1位になったのは狩野英孝。2017年1月、女子高生との淫行疑惑に対する責任を取る形で無期限謹慎を発表した彼は、16年の12位からトップとなった。近年は女性問題も多く、お騒がせ芸人になっていたが、今回ばかりは笑えない結果となってしまったようだ。
日経エンタテインメント!では、2017年もお笑い芸人の人気調査を実施。全国の男女1000人を対象に「一番好きなお笑い芸人」「一番嫌いなお笑い芸人」「この1年で最もブレイクしたと思うお笑い芸人」「これから1年で消えると思うお笑い芸人」の4項目で人気度を調査した(調査の詳細は「好きな芸人、ブルゾンちえみ初登場3位 さんまがV14」をご覧ください)。
狩野英孝が「消える」1位となった理由は「テレビや雑誌などメディアであまり見なくなっているから」がトップ。得票者の53%が挙げた(詳しくは下表「消えると思う理由」参照)。前述した通り、芸能活動を自粛したこともあり、リアルに消えたことが結果に反映したとみられる。「もういい加減家業の神社を継いだほうがいいと思う」(性別・年齢無回答)という手厳しい意見があるものの、「世間からのバッシングもあると思うが、いい味を出していると思うので早く復帰してほしい」(44歳女性)という声もあった。
2位の平野ノラは「ネタがつまらなくなっているから」(73%)という理由。「作られすぎたキャラはワンパターンでひねりがない」(48歳女性)というように、インパクト大の風貌やバブル用語を組み合わせたキャラだけでは通用しない時期に入ってきたようだ。最近はナチュラルメイクの素顔も見せ始めているので、次の動きに期待がかかる。
7位となったピースの綾部祐二は16年10月、「今後はニューヨークを拠点にする」と発表。コンビとしては事実上の活動休止となるため、「消える」と思った人が多いようだ。
17年のブレイク組は消えない?
前回までの調査では「ブレイク」と「消える」が表裏一体となるケースが多かったが、今回は「消える」だけにランクインしている芸人が16年の8組から12組と大幅に増えた。トップ10にいたっては、6組がそうだ。
これは歌・リズムネタや決めフレーズなどで瞬間的にブレイクする芸人が少なくなり、パーソナルな部分に興味を持たれてブレイクする流れが定着したためと考えられる。視聴者の共感を集めてブレイクした芸人はそのままバラエティー番組でポジションを獲得するようになるため、「消える感」が薄まる。
「ブレイク」で1位ながら「消える」では名前が挙がらなかったカズレーザーがそのいい例だろう。トレンディエンジェルや渡辺直美も同様で、このパターンこそが芸人にとっては理想的な売れ方といえるのかもしれない。
(ライター 遠藤敏文、木村尚恵)
[日経エンタテインメント! 2017年7月号の記事を再構成]
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