日経エンタテインメント!では、2017年もお笑い芸人の人気調査を実施。全国の男女1000人を対象に「一番好きなお笑い芸人」「一番嫌いなお笑い芸人」「この1年で最もブレイクしたと思うお笑い芸人」「これから1年で消えると思うお笑い芸人」の4項目で人気度を調査した。「好きな芸人」の1位はダントツで明石家さんま。今回含め、これまで14回行った調査ですべて1位で、2位のサンドウィッチマンに3倍近くの票差をつけている。目を引いたのは、3位にブルゾンちえみが初登場したことだ。
「好きな芸人」1位を毎回続ける明石家さんま。理由は「キャラクターが好きだから」(74%)が最も多く、世代・性別のカテゴリーでは25~34歳女性を除いてトップ。彼の人気を超える芸人は今年も現れなかった。
そんなさんまには、「売れていない若手芸人に話す機会を与えて、売れるように努力している姿に共感を覚える」(68歳男性)と、後輩芸人の育成ぶりを評価する意見がある一方で、「さんま、タモリ、たけしの後継者がなかなか出てこない」(45歳男性)といったコメントも。“お笑いBIG3”以降、彼らを超えるスケールの芸人が登場していないことを憂う声がいくつか見られた。
この1年は、25年ぶりに『徹子の部屋SP』(テレビ朝日系)に出たり、NHKで初めて冠特番を持つなど、新たな動きが話題になった。最近も4月にニッポン放送で29年ぶりとなるMC番組に出演。話題性の高い活動が続く限り、彼の独走は続くのかもしれない。
テレビ以外の顔が大事?
2位は16年から3ランクアップしたサンドウィッチマン。世代・性別問わず、幅広い層からの支持がある。テレビ以外にも毎年全国ツアーで新ネタを披露している彼らだけに、好きな理由は「ネタが面白いから」(92%)が圧倒的だった。その一方で、「なかなかネタを見る機会がない。サンドウィッチマンやさまぁ~ずなど中堅以上のネタが見られる番組があるとうれしい」(47歳男性)との声も。
サンドは「笑いで日本を元気にする」をモットーに掲げる活動「東北魂」を継続中。東日本大震災から6年、彼らが立ち上げた「東北魂義援金」が寄付した金額は4億円を超える。ネタの面白さに加え、地道に続けているこうした活動が年を追うごとに共感の幹を太くしているといえる。17年1月期には富澤がドラマ『カルテット』(TBS系)にレギュラー出演していたことも注目された。
3位は初登場のブルゾンちえみ。17年元日の『ぐるナイ!おもしろ荘』(日本テレビ系)で優勝したばかりの彼女が大物に割って入った。2位のサンドとはわずか2票差。
絵に描いたようなキャリアウーマンファッションをまとい、上から目線の恋愛アドバイスを繰り広げるネタで一躍ブレイクしただけに、「ネタが面白い」(76%)と「キャラクターが好き」(75%)がほぼ同じ。同性からの支持が特に高く、「女性が好きな芸人」としては、さんまに次いで2位だ。
押しも押されもせぬ人気者になった彼女だが、スター感覚はまだないようで、『ロンドンハーツ』(テレ朝系)のドッキリ企画ではイケメン外国人にナンパされた際に簡単に連絡先を教えてしまった。そんな自然体がネットで「かわいい」とさらに評判を呼ぶことに。メークをまねしてインスタグラムにアップする「ブルゾン女子」も急増中。ネタとは真逆の素顔が明らかになればなるほど、愛されキャラとして支持を高めていきそうだ。