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自転車通勤はやはり体に良かった 死亡リスク4割低下

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2017/6/19

自転車通勤をする人は、車通勤や電車通勤の人に比べて死亡リスクが低下していた(C)gstockstudio-123rf
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 自転車通勤をする人は、車や公共交通機関を使って通勤する人に比べ、がんや循環器疾患による死亡リスクの減少など、幅広い健康利益が得られること、徒歩での通勤も循環器疾患のリスクを減らすことが、中高年の英国人を対象に行われた研究で示されました。

■26万人超を対象に、通勤手段と死亡リスクの関係を分析

 これまで、自転車や徒歩での通勤は、日常生活の中で運動量を増やすための実用的な方法として推奨されてきましたが、実際にどの程度の健康利益があるのかは、ほとんど分かっていませんでした。

 今回、英国の研究者たちは、40~69歳で、常時在宅勤務ではない労働者26万3450人(平均年齢は52.6歳、52%が女性)を対象に、通勤手段と死亡リスクの関係を分析しました。

 まず、対象となった人々に、職場への往復に普段用いている方法を尋ね、回答を以下の5通りに分類しました。徒歩と自転車通勤の場合には、通勤距離も尋ねました。

(1)非活動的手段(車やバイクと公共交通機関のいずれか、または両方)

(2)徒歩のみ

(3)徒歩と非活動的手段の組み合わせ

(4)自転車(±徒歩)=自転車のみ、または自転車+徒歩

(5)自転車(±徒歩)と非活動的手段の組み合わせ

 これら5通りの通勤手段と、あらゆる原因による死亡、循環器疾患による死亡、がんによる死亡と、循環器疾患の発症、がんの発症の関係を調べました。

 死亡の有無を追跡した5年間に、2430人が死亡していました。496人は循環器疾患による死亡、1126人はがんによる死亡でした。

 がんと循環器疾患の発症の有無を2.1年追跡したところ、その間に3748人ががんを、1110人は循環器疾患を発症していました。

 これらの病気の発症と通勤手段にはどのような関係が見られたのでしょうか。

■自転車通勤では死亡リスクが41%も減少

 分析の結果、非活動的手段で通勤していたグループに比べ、自転車通勤のグループと、自転車を含む通勤方法を用いていたグループ、徒歩のみで通勤していたグループには、いずれかのリスクの低下が見られました(下表参照)。一方で、徒歩と非活動的手段の組み合わせは、どの項目にも利益をもたらしていませんでした。

 自転車通勤によるリスク低下は、通勤距離が長いほど大きくなっていました。徒歩通勤も同様で、歩く距離が長いほどリスク低下は大きいことが示されました。

 研究を行った英Glasgow大学のCarlos A Celis-Morales氏らは、「自転車や徒歩での通勤と健康利益の間に因果関係があるなら、活動的な通勤を奨励し支援すれば、地域でのこれら疾患の発症と死亡のリスクを低減できる可能性がある」と述べています。

 論文は、2017年4月19日付のBMJ(the British Medical Journal)誌電子版に掲載されています[注1]

[注1] Celis-Morales CA, et al. BMJ 2017; 357 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j1456 (Published 19 April 2017)

大西淳子
 医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

[日経Gooday 2017年5月26日付記事を再構成]

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