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ネットでクルマを貸し借り 個人間カーシェアは進むか

日経トレンディネット

2017/6/25

Anycaのウェブサイトのトップページ。ウェブサイトや専用アプリで利用できる
日経トレンディネット

カーシェアリングというと、タイムズ24が運営する「タイムズカープラス」のように企業が利用者にクルマを貸すサービスが一般的だ。一方で、利用者同士でクルマを貸し借りする個人間カーシェアリングサービスも利用者が増えている。企業によるカーシェアリングサービスとはどう違うのか、トラブルはどう防ぐのか。代表格のAnyca(エニカ)に聞いた。

◇  ◇  ◇

個人間カーシェアリングは、会員登録している利用者同士が個人所有のクルマを貸し借りするサービス。借り手にとっては比較的安い価格でクルマを利用でき、貸し手にとっては自分が乗らないときにクルマを貸すことで対価を得られるという利点がある。以前から地域限定で運営している小規模なサービスはいくつかあったが、2015年5月にディー・エヌ・エーが「Anyca(エニカ)」を開始し、一気に代表格になった。

個人間のやりとりは全てネットを介して行う。Anycaの場合、クルマを所有している人は「オーナー」として自分のプロフィールやクルマの写真、クルマの装備などの情報、使用料や受け渡し可能な時間帯といった条件を登録。クルマを借りる人は「ドライバー」として、自分のプロフィールや運転免許証などの情報を登録する。

ドライバーがクルマを借りるときは、専用アプリやウェブサイトを使い、クルマの受け渡しエリアや車種、料金帯、使用日時などから借りる車を検索。目当てのクルマが決まったら、オーナーに予約リクエストを送る。オーナーが予約リクエストを承認すると予約が確定。受け渡し場所でクルマを受け渡す。貸出料金はクレジットカードで決済する。Anycaは、手数料としてオーナーから使用料の10%を取る仕組みだ。

Anycaの貸し借りの流れ。画像はAnycaのウェブサイトから

■ドライバーとオーナーの利害が一致

Anycaによると、2017年5月時点の会員数は7万人、登録されているクルマの数は3500台。会員の9割5分は男性で、地域別では東京都在住が半数、関東の1都3県に広げると8割に至る。

Anycaの事業を担当するディー・エヌ・エーのオートモーティブ事業部カーシェアリンググループの大見周平グループマネジャーは、「ドライバーは自家用車を持っていない人が多いが、持っていても、別のクルマに乗ってみたいからと利用する人、購入検討中のクルマを試乗感覚で借りてみる人もいる」と話す。実際、ドライバーに人気なのは、高級車やオープンカーのように乗ってみたくても手を出しにくいクルマや、リリース直後の新車種。あるいは大人数で乗れるなど実用性が高いクルマだという。

大見氏は、個人間カーシェアリングサービスについて、「レンタカーや企業が運営するカーシェアリングサービスに比べて登録車種が多いため、ドライバーにとってはいろいろなクルマに乗れるのが利点。連休などの繁忙期でも借りられるクルマを見つけやすいというのもある。一方のオーナーは、駐車場に眠りがちなクルマを有効活用できる。駐車場代などの足しになればと考える人が多い」と説明する。

■法律上は個人間の共同使用契約

Anycaのような個人間カーシェアリングサービスと、レンタカーや「タイムズカープラス」のような企業によるカーシェアリングサービスとで大きく異なるのは法的な位置付けだ。レンタカーなどは国の許可を得たレンタカー事業者による有償貸し渡しになる。一方、個人間カーシェアリングには元々明確な法的位置付けがなかった。このため、Anycaの場合は個人間での自家用車の共同使用契約の形を取っている。

共同使用とは、複数人で自家用車の維持にかかる実費をシェアしようという考え方だ。2006年の道路運送法改正以前は国土交通大臣の許可が必要だったが、2006年の同法改正で許可が不要になった。とはいえ、元々、共同使用は個人間カーシェアリングサービスを想定したものではない。そこでAnycaでは共同使用の枠で運用できるよう、「サービス開始の1年前から行政に確認を繰り返し、運用ルールを決めていった」(大見氏)。

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