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腰痛・肩こりは生活習慣病 痛み取る「30分ルール」

日経Gooday

2017/6/29

私が患者さんによく指導するのは、「30分ルール」です。これは、30分に1回休憩を取る習慣をつけること。例えば、9時から12時までぶっ続けで座ったまま仕事をするのではなく、30分に1回、計画的に休憩を取り、意識して姿勢を変えるのです。

座り続けのオフィスワーカーならば、30分に1回、立ち上がるのがいいでしょう。最低限、一瞬でもいいから姿勢を変えることがポイントです。それによって、股関節を動かす働きを持つ腸腰筋(ちょうようきん)を伸ばすことができます。

腸腰筋は、腰の不調に大きく関係する筋肉で、現代人の日常生活では固まりやすいのです。腰痛患者さんの中には、座った姿勢からすぐに立ち上がれない人がいますが、これは腸腰筋が固くなっていて腰が伸びないために起こる症状です。

そんな人でも、こまめに腰を伸ばすことで、腰の筋肉をほぐすことができます。腰の痛みの予防にも対策にも、ときどき姿勢を変えて立ち上がることは欠かせません。

――なるほど、「30分に1回、立ち上がる」のなら、すぐにでも実践できそうです。周りには驚かれるかもしれませんが(笑)。

可能ならば、ただ立ち上がるだけでなく、少し歩くのがお勧めです。トイレに行ったり、お茶やコーヒーをいれたりするのでもいいでしょう。

休憩のコツは、1回に長時間の休みを取るのではなく、こまめに取ること。「筋肉が固くならないうちに、ほぐす」という動作を繰り返すわけです。だからこそ、30分ルールが効果的なのです。また、1日に1回だけ昼休みを1時間取るよりも、昼休みを45分にして午後に1回15分の休みを入れる方が、筋肉をほぐす効果が高まります。

もし、これをお読みのあなたが、会社の幹部や役職付きの立場ならば、社員にこうした休憩時間を積極的に取るように指導することをお勧めします。「休んでばかりいたら、仕事の効率が悪くなるのでは?」と思うかもしれませんが、長時間ずっと座らせているよりも、ときどき休んでもらう方が、長い目で見ればむしろ効率的なのです。

――こまめに姿勢を変えさせる仕組みを職場に導入することで、社員の健康づくりと生産性の向上を一挙に達成できるわけですね。

はい。会社によっては、机をジグザグに配置したり、フロアの入り口を1カ所にして、なるべく社員を歩かせる工夫をしているところもあります。

また、座って仕事をするばかりではなく、最近話題になっている「立ちデスク」も一つのアイデアです。大がかりなことができないというのならば、立ったままミーティングができるコーナーを作るだけでもいいでしょう。

一方、立ち仕事がメインである警備員や接客業などの方は、逆に座ることが休憩になります。もちろん、じっと立っていることが多いのならば、歩きまわることもいいでしょう。

要するに、変化をつけて、通常とは逆の姿勢を取ることが大切なのです。

■加齢に伴う体の変化を自覚し、普段からのケアを

――腰痛などの慢性痛は、実際のところ、どこまで自分で治せるものなのでしょうか。

私は、整形外科の医師であると同時に、カイロプラクティックのドクターとして、これまでさまざまな方の体と向かい合ってきました。体の痛みを治すには、体の仕組みをよく分かっている専門家に診てもらうのが一番だとは思いますが、忙しい現代人がしょっちゅう専門医に通うのは大変です。自分自身で治すことができれば、それが理想的なことは言うまでもありません。

もちろん、すべてが自分で治せるわけではありませんが、痛みの原因によっては簡単な体操などで症状を和らげることができます。「30分ルール」のように、生活習慣を変える工夫もいろいろとあります。

ただし、腰痛や肩こりの陰には重大な病気が隠れていることもあります。あまりにも痛みが激しいときや、いくら試しても痛みが治まらないときは、すぐに専門医に相談するようにしてください。

(写真:秋元忍)
竹谷内康修さん
整形外科医・カイロプラクター、竹谷内医院院長。2000年東京慈恵会医科大学卒業。福島県立医科大学、米ナショナル健康科学大学を経て、2007年カイロプラクティックを主体とした手技療法専門のクリニック(現・竹谷内医院)を開設。福島県立医科大学では整形外科学講座に所属し、腰痛治療の第一人者である菊地臣一氏(前・福島県立医科大学長)に師事。日経Goodayで「竹谷内康修の『自分で治す!からだの痛み』」を連載。

(ライター 二村高史)

[日経Gooday 2017年5月25日付記事を再構成]

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