他責が強すぎる場合には、優越感が維持され続けます。本当にすべてが環境のせいであれば、優越感が維持され続けることで次のチャンスを得やすくなります。しかし、本当に自分の責任で失敗した場合であっても、問題点が改善されません。これが繰り返されていくと、冒頭にあげたような、勘違いした「できそうな人」がうまれてくるのです。
自責だけだと自分の良い点まで否定してしまう
一方、自責が強すぎることも問題です。すべてが自分の責任であると考えてしまうと、環境や他人の責任である場合にも自分の問題を探してしまうため、変えてはいけない自分の良い点まで変えてしまおうとすることになるからです。
20代のような若いうちに、自分が経験する成功と失敗、それぞれにどのように接するかで、その後の成長が決まってきます。
自責だけでももちろんダメなのですが、極端に他責にならないように気を付けることが、できる人に成長してゆくきっかけとなるでしょう。
平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。大阪市特別参与(人事)。
