大幅性能アップの2代目トヨタ「プリウスPHV」が発売されるなど、いよいよプラグインハイブリッド元年かとも目されている2017年。搭載電池量を増やし、充電プラグを設け、半分EV(電気自動車)としても使えるプラグインハイブリッド車=PHVは本当に次世代エコカーの本命たり得るのか。ついに高級セダン「5シリーズ」にもPHV仕様を追加した、BMWエンジニアを直撃した。
5シリーズPHVは静かで走りも上質だが……
小沢 さきほど5シリーズのPHVモデルである「530e」に乗り、静かさは当然のことながら、上質な走りに感銘を受けました。そもそも、BMWはプレミアムセグメントの中でも特にPHVに前向きです。EV、燃料電池、次世代エコカーはいろいろありますが本当にPHVははやるのでしょうか? その根拠を教えてください。
マリオ・アルムブルスター氏(以下、マリオ) プレゼンでもお伝えした通り、BMWは既にPHVをたくさんリリースしています。コンパクトカーの「2シリーズ アクティブ ツアラー」はもちろん、プレミアムセダンの「3シリーズ」「7シリーズ」、そして今回5シリーズにも「530e」を追加しました。その他ミニシリーズでも出すつもりで現在世界的には好評です。ただ、今後お客様が本当にどれくらい希望されているかを見極めていくつもりですし、航続距離にも影響されますが、ピュアEVがどれくらい求められるかもチェックし、フレキシブルに対応するつもりです。
とはいえ基本的には色々なモデルでPHVを取り入れるつもりですし、そもそもその取り入れしやすさがPHVの特徴なのです。
小沢 なるほど。ところで先ほど聞いてビックリしたんですが、プレミアムセグメントでは現在、BMWがEVセールスナンバーワンなんですって? 北米のテスラも超えて?
マリオ ピュアEV中心のBMW iとiパフォーマンスモデルで2013年以来、すでに累計13万台が売れています。今年の目標は年間で10万台です。
小沢 そうか。ナンバーワンというのはピュアEVとPHV合わせての数字なんですね。ちなみにこの電動車系はざっくりBMW販売全体の何%を占めているのでしょう?