アコーディオンに夢中 由美かおるさんが初コンサート
女優の由美かおるさんが、半年前からアコーディオンの猛練習を重ね、初のコンサートを開いた。奏でるのはアルゼンチンの伝統的な民俗音楽「チャマメ」だ。チャマメは日本ではあまり知られていないが、アルゼンチンではタンゴ以上に広く庶民に親しまれるダンス音楽。初コンサートは由美さんのアコーディオンの師匠で、日本で唯一のチャマメ演奏家でもある牧田ゆきさんとの共演になった。
コンサートは5月21日の日曜日、都内・南青山のブティックに併設されたテラスでの屋外での開催だった。旧知の関係者など50人ほどが、ワイングラスを片手に由美さん、牧田さんの歌と演奏を楽しんだ。当日披露したのは8曲で、チャマメのほか、「コンドルは飛んでいく」「百万本のバラ」「テネシーワルツ」などなじみのある曲も披露。アンコールでは水戸黄門の主題歌で盛り上がった。
由美さんとアコーディオンの出合いは小学校時代に遡る。クラブ活動で1年ほど取り組んだが、以後は接点がなかった。フランスを旅したとき、街角で女性がアコーディオンを弾いているのをみて、ステキだなと思った。久しぶりにやってみようかと思い立ち、楽器店に足を運ぶと、たまたま修理にきていた牧田さんを紹介された。「似ているところが多い」(由美さん)2人はたちまち意気投合し、今では週に3、4回、牧田さんの元でレッスンを続けている。テレビ出演やメディア取材、講演など多忙なスケジュールの合間に、1日6時間ほど練習をする日もある。1日でも触らない日があると感覚が鈍るので、地方ロケなどの仕事にもアコーディオンを持参し、撮影の合間に弾いているほどだ。
わずか半年のレッスンでコンサートは無謀かなと思ったが、牧田さんから「人前でたくさん失敗しないと、うまくならないよ」と言われ、踏み切った。アコーディオンは右手で41の鍵盤、左手で120のボタンを、左腕で蛇腹を押したり引いたりしながら操作する。重さは12キロあり、「毎日筋トレをしているようなもの」(牧田さん)。由美さんの使う小型のものでも、鍵盤は38、ボタンは60あり、重さも6キロある。蛇腹の空気の送り込み方によって、思わぬ音が出たりする。その意外性がアコーディオンの魅力の一つだ。
自ら「いつも何かに挑戦していないと気が済まない性格」という由美さん、これからもアコーディオンのコンサート活動を続ける。次なる目標は牧田さんと共同のCD発売で、早ければ今秋にも実現する見通しだ。
(編集委員 鈴木亮)
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