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せんべいは米か麦か 各地に点在「オランダせんべい」

せんべい(1)

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NIKKEI STYLE

茨城県の大洗に行った。水戸から鹿島臨海鉄道大洗鹿島線で15分。鹿島灘に面する海の町である。土曜の夜、地元の方々と様々なものを食べた。

まずは「キンパ」の肝和え。キンパとはウマヅラハギのこと。湯通しして脂を抜いたキンパに肝と味噌を合わせている。脂抜きをしたとはいえ、肝の重量感と相まって濃厚にして芳醇。

続いてフグの薄造りである。トラフグではない。地元産の「コモンフグ」を使っている。しかもレモン汁にしょうゆをたらしてワサビで食べるのが大洗流。

「安いフグですから、箸でブルドーザーのようにすくってください。遠慮しちゃだめですよ」

というお勧めに従ってひとすくい口に入れた。トラフグと違って激しい弾力があり、快調とは言えない我が歯は相当苦しんだ。しかし噛み続けるうちに遠慮を知らない甘みと旨みがグイグイ押し寄せてくる。歯が丈夫なフグ好きにはたまらないであろう。

続いて登場したのがマグロの頬肉のカツ。マグロの頬肉というのは何ですな、えーと、うまいもんです。それをサクサクに揚がった生パン粉が包んで、気の張らない一品に仕上がっている。さらにこれまた気が張らないマヨネーズ、ウスターソース、中濃ソースというトリオを一緒にしたものがかかっているから、実に気さくかつ奥行き深い味になっていた。

そしてメニュー外の一品が出た。夕食会に参加した人が自宅から持ってきたものである。「うるか」という。ゴボウと一緒にしょうゆで煮てある。

「なんだと思います?」

「うるかと地元では呼んでいるんですか?」

「そうです。うるかです」

「イルカじゃありませんか?」

「……」

ここで黒い塊を口に入れた。そうだ、この鯨感は間違いなくイルカであろう。

「イルカですね」

「そうなんです。こっちでは『うるか』と呼びますが、イルカなんですよ。昔から食べられている家庭料理です」

ご意見 千葉の九十九里浜の近くで生まれ育ちましたが、子どものころ(30年前)は行商のオバチャンが魚を売りに来ていました。そして、時々イルカの肉も売っていました。
 私の親は、これを「すき焼き」風(通常のすき焼きより味を濃くする)にしていました。ただし、これが九十九里の一般的な調理法なのかは分かりません(千葉の三毛猫さん)

九十九里と大洗は犬吠埼を挟んでほぼ等距離にある。あの辺りもまたイルカ食地帯であった。

本題とは遠く離れながら、なぜかイルカメールがたくさん寄せられた。テーマはせんべいなんだってばとつぶやきつつ、いくつか紹介する私は気が弱いのでしょうか。

ご意見 イルカを食べる地域は小田原~富士川あたりの伊豆文化圏?と言ったほうが正確ではないかと思います。当時の静岡市内で配給されたとしたら、かなりの人は難儀したのではないでしょうか?
 今でも売られていて、食べることがあります。肉そのものをいただくというより、肉は出しで大根とゴボウを食べている感じですね。といっても最近の若い人は食べないようですが(小田原 沼さん)

「2年前に伊東市の富戸でイルカを食べた」というメールもいただいている。伊豆を中心とした食文化と考えてもいいのか。

そして浦賀水道を越え、房総半島を越えて千葉から茨城の沿岸に広がるもう一カ所のイルカ食地帯に達する。

さらに…。

ご意見 現在28歳の私が小学生時代を過ごした山形県東根市でも、イルカ汁と呼ばれるものが給食に出ていましたよ。
 といっても、その当時はすでにイルカではなく塩づけされた鯨の皮(塩鯨)が入っていました。聞くところによるとイルカ汁は山形では昔から食されていたのですが、イルカが手に入らなくなった、またはイルカの独特なクセが敬遠され始めたなどの理由により塩鯨が用いられるようになったとのこと。ただ名前は以前のままで今日でもイルカ汁と呼ばれています。
 ということで立川の鈴木さんの奥さんの言ってることは正しいと私が保証します!(山形出身東京在住 本ちゃん)

立川の鈴木さん、保証されちゃいました。山形では確かにイルカ汁が給食に出ていたようですね。その後、家庭内会話は弾んでいますか?

そろそろ本題に入らねば。せんべいである。

ご意見 よく考えてみると郷里の岐阜ではせんべいといえば小麦粉原料のものだった気がします。大垣にはずばり味噌せんべいと言うものも存在しますし。いわゆる「瓦せんべい」系?
 松山ではどうかといえば、道後に有名な「ぬれおかき」屋さんがあります。小さいぬれおかきを串に焼き鳥のように刺したものが名物です。前を通りかかると強烈なしょうゆの香りが誘惑してくるので、観光客でいつも混んでます(にゃんちゃん)

せんべいには小麦粉系と米系がある。神戸の瓦せんべいは小麦粉。草加せんべいは米。

現時点での印象でいうと西日本に小麦粉系が多く、東日本は南部せんべいなどの例外はあるものの総じて米系が支配的ではないだろうか。この点にまず注目したい。

ご意見 せんべいは瓦せんべい(卵せんべいが正式?)が好きです。あのなんともほわっとやさしい香ばしいにおいと歯ざわり。炭酸せんべいも乳ボーロも好きなので、これらみっつ、たまに無性に食べたくなって買ってしまいます。
 先日、会社で後輩に「乳ボーロいる?」と聞いたら、えらいびっくりされました。「何ですか、それ?」。というのも「乳」っていうのが「恥ずかしい」ということらしいです。そんなもんなんですか??
「 恥ずかしい」って考え過ぎだと思うんですけど。赤ちゃんでも食べられる、というので乳ボーロなんだと思ってました(Native関西人さん)

乳ボーロ。東京辺りでは「たまごボーロ」と呼ぶのではないか。私は子供のころ「栄養ボーロ」と言っていた記憶が…。でも、せんべいじゃないところが残念。

デスクうんうん 僕は「たまごボーロ」。でも確かに、せんべいというよりクッキー、ビスケット、スポンジ…系の食べ物というイメージですね。気分は「洋菓子」です。

アミー隊員ぺこり 初めまして。エミー隊員の後任のアミー隊員といいます。名前が似ていて紛らわしいですが、よろしくお願いします。さて、「乳ボーロ」発見しました! 製造者を見ると大阪の会社。関西圏では「乳ボーロ」なのでしょうか? 神奈川の某スーパーでは「たまごボーロ」、某無印○品では「卵黄ボーロ」という名前で売っていました。

ベティー隊員 私も「たまごボーロ」派です。アミー隊員、よろしくね。

せんべい界にも謎はある。

ご意見 「オランダせんべい」という名前の食べ物が各地にあります。ひとつは根室の名物として知られるもので、米ではなく小麦粉で作られており、味も甘いのでせんべいというよりもお菓子の感覚。名前の由来は不明らしいですが、模様がオランダの石畳に似ているから等の説があるそうです。
 そして、庄内地方で売られている「オランダせんべい」。これは塩味(サラダ味)の、せんべいそのもの。自分は酒田で食べましたが、パリパリとした食感。
 こちらは、庄内平野の自然がオランダに似ているからということと、庄内地方の方言で「私たち」のことを「おらだ」と言うことのふたつの意味を込めて、私たちのせんべい=おらだせんべい=オランダせんべいと名づけられたようです。
 そしてそして、不思議なことに長崎の平戸にも「オランダせんべい」が。こちらはいわゆる「瓦せんべい」みたいな固い食感で、ワッフルの型を使って焼いたような感じ。しかし、見た目は根室のものとソックリです。
 根室と平戸の「オランダせんべい」は何か関係がありそうですね(ミルフォードさん)

不思議なことに私の画像ファイルの中に根室のオランダせんべいが入っている。消さなくてよかったあ。これである。「日本唯一軟煎餅(せんべい)」と謳っているように、ふにゃふにゃと軟らかい。

平戸だからオランダとの関係はこちらが先。でもそれだけでは何も断定はできない。

ご意見 「黒糖揚げせん」が現在のマイブームです。さくさく感と米でできているヘルシー感、さらに疲れを癒す黒糖の甘さ。個袋に入っているので食べる量を調節しやすいところも優れています。
 対照的に、東京出張のときに必ず買う若干高級感のあるせんべいとしては「浅草むぎとろせんべい」がお気に入り。せんべいはさくさく、ぱりぱりが命!だった私にとって衝撃的な作品で、こらこら!と怒りたくなるくらいぬちゃぬちゃ、もちもちしていますが、どういうわけか虜になりました。してやられたり(apple-aさん)

浅草むぎとろせんべいとは怪しい。麦飯にとろろ芋が「むぎとろ」であるが、それをせんべいにしてしまったのか。「むぎとろ」の存在を知ったのは東京に出てきた18のとき。最近では牛タン焼きとむぎとろのセットを売りものにして展開しているチェーンもある。

が、私はむぎとろを食べたことがない。これからも積極的に食べるつもりはない。なぜなら子供のころ、我が家では麦飯の登場頻度が高くすでに相当量の麦飯を腹に収めている。だからもういいの。

デスク報告 むぎとろが名物の「浅草むぎとろ」というお店で売っているせんべいのことです。一見かりんとうのようですが、とろろをつかってふんわり仕上げた、とありますから、野瀬さんでも食べられるんじゃないですか?

(特任編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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