MEN'S FASHION

リーダーが語る 仕事の装い

ニッポンのビジネスマン、なんで服に関心ないんやろ 伊藤忠商事社長 岡藤正広氏(上)

2017/5/17

「デザインとブランド。それが日本の弱点」と説く

 「東京・銀座に商業施設『GINZA SIX(ギンザ シックス)』がオープンしたけど、ぼくは開業前に行って2時間かけて全部みたんですよ。うちの関係の店も10店舗近く出とるからね。やっぱりそこでも『メード・イン・ジャパン』『これ国産なんです』と、前面に押し出しとるんだな。日本のものづくり、素材のよさ、こういったものが評価されている。ファッションだけではなくて、すべての産業界にこうした動きが移りつつあるのではないかと、そういう気がしている」

 ――ご自身は海外の著名ブランドを日本に次々と導入してこられました。

 「日本製が評価されるのはいいことだが、日本製でもヨーロッパにどうしても勝てないものがある。それは感性なんですよ。最近、福島県のメーカーの絹織物がエルメスのスカーフ生地に採用されたことが話題になったけど、表に出てこないだけで、ああいう話は昔からあってね」

■ファッションだけにとどまらない、デザイン・ブランドの劣後

 「いつも引き合いに出す話があって、東北のあるメーカーがフランスの高級婦人服ブランドに生地を納めていたんだけど、1メートルあたり5000円の生地が、スーツになると150万円。その生地がなければそのブランドの服はできないのに、1着分3メートルとして生地のコストは製品のわずか1%。こういうところが日本のファッションビジネスの壁なんですよ」

 「いい素材をつくって、きちっとした素晴らしい縫製もできるけど、ブランドという、ソフト面でのギャップというのが、なかなか追いつけない。それは繊維・ファッションだけじゃない」

 「例えば昔なら、海外の一流ホテルにあるテレビは、ソニーとかシャープやパナソニックでしたよね。それが今は違って、韓国のサムスン電子、LG電子」

 「だけど、サムスン、LGというのも基本的にはアセンブリーで、じゃあ、何が評価されているのかといったら、そのデザインとブランドなんですよね。日本のファッション産業と同じことが、ほかの産業でも起こっているんです」

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