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紫外線は「目」も傷める 屋外スポーツ時の対策忘れず

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2017/5/17

紫外線を多く浴びると、老眼や白内障を早く発症しやすくなるうえ、様々な眼病の発症リスクが高まるという(c)Cathy Yeulet-123rf
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 5月から夏にかけては紫外線が気になる季節だ。実は、紫外線がダメージを与えるのは肌だけではない。最近は「目」に対する影響も注目されており、紫外線によって白内障や瞼裂斑(けんれつはん)といった目の病気を発症することが知られている。4月18日、東京・原宿で金沢医科大学眼科学講座の佐々木洋主任教授が行った講演「紫外線が眼に与える影響と対策」の内容をお届けしよう。

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 紫外線の量は季節によって大きく変わる。しかし地面からの反射などもあるため、頭頂部に比べると「目に入る紫外線」は季節による差が少なく、春や秋でも油断できない。特に東洋人は顔が平たいため、西洋人の1.5~2倍近い紫外線が目に入るという。

■紫外線で眼病の発症リスクが高まる

 紫外線によって肌にシワやシミができることは広く知られているが、目にも紫外線は良くない。紫外線を浴びる量が多いと「老眼や白内障を早く発症しやすくなるうえ、瞼裂斑、翼状片(よくじょうへん)など様々な眼病の発症リスクが高まります」と佐々木教授は指摘する。

 白内障はご存じの方も多いだろうが、目のレンズに当たる水晶体が白く濁ってくる病気。加齢によって起こるが、紫外線を浴びる量が多いと発症が早くなる。瞼裂斑は白目にできる黄色く盛り上がったシミ。翼状片は白目から細い血管を伴った白い膜が黒目に向かって伸びてくる病気で、見た目だけではなく、視力にも大きな影響を与える。

瞼裂斑は早い場合は小学生で出てくる。若年者の瞼裂斑は紫外線被曝の指標ともいえ、有病者は、翼状片、老視、白内障を早期に発症する可能性がある(資料提供:佐々木教授)

 赤道直下のタンザニアは北極圏にあるアイスランドの約7倍の紫外線が降り注ぐ。佐々木教授らの調査によると、50歳以上の翼状片の有病率はアイスランド(レイキャビク)が0.2%、日本(石川県輪島市門前町)が7.2%に対し、タンザニア(ムクランガ)は実に46.9%と、緯度が低く、紫外線量が多くなるほど高くなっていた。

 佐々木教授らは中学生の瞼裂斑も調べている。日本の中学生では36.4%(1年生25.9%、2年生41.4%、3年生41.9%)に初期の瞼裂斑が見られたが、タンザニアでは検査対象となった中学生全員で確認されたという。

 「これらの調査から、瞼裂斑は紫外線被曝(ひばく)量の指標となることが分かりました。つまり、瞼裂斑がある人は、翼状片、老眼、白内障を早くから発症する可能性があるといえます」(佐々木教授)

■屋外スポーツは目へのダメージが大きい

 2016年12月から2017年1月にかけて、佐々木教授のグループはスポーツの名門校・金沢星稜大学の運動部の学生223人を対象に、瞼裂斑の調査を行った。そのうちサッカー、野球、テニス、陸上などの屋外スポーツをしている学生は167人。バレーボール、バスケットボール、バドミントンなど屋内スポーツは56人だった。

 全体で見ると26.9%が瞼裂斑なし、25.6%が紫外線蛍光撮影(UVFP)で確認される軽度から中度の瞼裂斑あり、そして、47.5%に肉眼でも分かる強い瞼裂斑が見られた。

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