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「最も豊かな隠れ里」人吉球磨を走る 幸せ祈願の旅 水津陽子のちょっとディープ旅

2017/4/28

途中駅のおかどめ幸福駅。記念撮影する人もたくさんいます

途中のおかどめ幸福駅では数分間停車。駅の幸福祈願鈴を鳴らして「幸せ祈願」や記念撮影をしてみては。あさぎり駅では役目を終えたレトロな車両KUMA2号を見ることもできます。なお、終点・湯前駅からの折り返し運転時は、田園シンフォニーは普通列車になり、すべての駅に停車します。

こちらは、JR九州・肥薩線を走る観光列車「いさぶろう」「しんぺい」からの「日本三大車窓」の絶景。晴天に恵まれれば、えびの盆地越しに霧島連山の雄姿が望めます (写真:熊本県)

■隠れ里が守り伝えてきた仏像を訪ね歩く

2015年、地域の歴史的魅力や特色を通じて国の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定する制度「日本遺産」がスタートしました。現在までに認定されたのは全国で37件。認知度はいまひとつで、知らない人も多いのですが、それだけに豊かな観光資源が勢ぞろいといっていいでしょう。

その一つに選ばれている人吉・球磨地域のストーリーは「相良700年が生んだ保守と進取の文化~日本でもっとも豊かな隠れ里・人吉球磨~」だそうです。人吉・球磨の領主だった相良氏は明治維新まで約700年間にわたってこの地を統治。球磨焼酎などの民衆の文化を尊重する一方、寺社に都の建築様式を用いるなど新しい技術や外来の文化を積極的に導入しています。このために地域では歴史的・文化的な価値が高い社寺や仏像などが守られ、今に残っています。

かやぶきの社寺建築では全国初の国宝「青井阿蘇神社」 (写真:熊本県)

ストーリーを構成する41の文化財群や仏像などの仏教美術の中には、こんなすごいものがここに埋もれているのかと思うものが多数あります。かやぶきの社寺建築としては全国初の国宝の神社「青井阿蘇神社」、日本百名城に数えられる「人吉城跡」、日本最古級のかやぶき屋根の楼門のある王宮神社。中でも、神秘的な数々の美しい仏像を訪ねるのが「相良三十三観音めぐり」です。

多良木町(たらぎまち)にある二十八番札所「中山観音」には、千年以上前にカツラの一木で彫られた美しい聖観音立像が四天王像に脇を守られて安置されています。二十三番札所「栖(す)山観音」は、不思議な優しさに満ちた高さ281センチの千手観音像が脇の毘沙門天などとともに安置されています。

(左)二十八番札所「中山観音」(お彼岸の時期のみ公開)、(右)二十三番札所「栖(す)山観音」 (写真:人吉市教育委員会)

球磨川の水源がある水上村(みずかみむら)には、人吉藩で起きた化け猫騒動にちなみ、その怨霊を祭るために創建されたという「猫寺」の異名を持つ「生善院観音堂」があります。山門の前ではこま犬ならぬ「こま猫」が参拝客をお出迎え。かわいい猫みくじも置かれています。

(左)猫寺の異名を持つ「生善院観音堂」の山門には「こま猫」がいます。 (右)猫寺の猫みくじ (写真:熊本県)

なお、「相良三十三観音めぐり」の三十三の観音堂はそれぞれの地域で維持管理されています。お彼岸の時期には一斉開帳されますが、栖山観音など常時公開されているものもあります。人吉・球磨地域の日本遺産の情報は、人吉球磨日本遺産活用協議会のホームページ「日本遺産人吉球磨」に詳しく紹介されています。

場所によっては公共交通手段がない場所もあるので、行かれる際は観光案内所や協議会等で公開情報や交通情報を確認することをおすすめします。人吉タクシーには、じゃらんで予約もできる貸し切りタクシーサービス(1時間3700円から)もあります。

水津陽子
合同会社フォーティR&C代表。経営コンサルタント。地域資源を生かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究などを行う。

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