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最新モデルは買い? オチアイ的「RX100」の選び方 落合憲弘の「へそ曲がりデジカメ生活」

日経トレンディネット

2017/4/19

初代RX100の登場に大きな衝撃を受けて以来、歴代シリーズに興味を抱いてじっくり試してきた落合カメラマン。撮影性能や価格、旧機種からの進化点などを吟味したうえで、衝動買いしなかったモデルもあったそう
日経トレンディネット

 ソニーの高級コンパクトデジカメ「Cyber-shot DSC-RX100」の登場に大きな衝撃を受け、続々と登場するシリーズの進化ぶりをつぶさにチェックしてきたのが、おなじみの落合カメラマンだ。初代RX100のどこを高く評価したのか、進化を続けているRX100シリーズをどう見ているのか、実際にどの機種を自腹で購入したのかなど、RX100に対する率直な感想や思いを語ってもらった。

■圧倒的な高画質にひと目ぼれした初代RX100、買うのを見送ったRX100M2

 あえて意識していたわけではないのだけど、振り返ると「飛び石購入」になっていた。ナンのハナシかといえば、2016年、見事に「スーパー戦隊シリーズ」と相似の布陣を確立したソニー「DSC-RX100」シリーズのお話である。目を閉じると、5種そろったRX100の背景で地面がボムボム爆発している画が浮かんできますね(笑)。そのうちレッド、ピンクを含めたカラバリがリリースされるに違いないと個人的には思っておりますです。

 私が初代RX100を購入した理由は単純にして明快。「小さいクセにモノとしての質感が高く、そして何より超絶高画質!」。その一点買いだった。当時はまだ珍しかったマイクロBプラグでUSB充電できるところもナニゲに強めの後押しにはなっていたのだけど、まずは何より画質にほれての購入だったのである。

 「1型センサー」というものにまだそれほどなじみのなかった時期でもあった。そして、APS-Cとフルサイズの一眼レフを比較するよりも、1/2.3型と1型の比較のほうが“違い”はデカいという現実。「大きいセンサーってやっぱりいいんだなぁ~」。そのことを分からせるのに十分なインパクトを備えてのデビューだったおかげで、めでたく購入と相成り、それ以来ずーっと我が常時携帯機のポジションにはRX100シリーズが収まり続けている。

RX100で撮ったこの写真の仕上がりを見たとき、改めて息をのむことになった。この小さなボディーや小さなレンズで、被写体をここまで緻密にとらえるのか、と。テレ端で撮影(ISO125、1/640秒、F5.6)

 でも、RX100M2は購入せず。チルトモニターの装備で少しばかりおデブになってしまったところと、EVFは欲しかったけれど外付けのソレがRX100にマッチするとは到底、考えられなかった(実際に使ってみて「これはナイ」と実感した)からだ。まぁ、でも、マルチインターフェースシューが欲しいのなら、買うべきはM2でキマリだ。

落合カメラマンが自腹で購入した初代RX100(左手前)と、試用した末に買わなかったRX100M2(右奥)。初代RX100はあまりに使い込んだので黒い塗装が削れ、いい味を出している

■EVF搭載のRX100M3は即買い、積層型CMOSのRX100M4は見送った

 その次のRX100M3はスペックを知った時点で購入を決意。最大の決め手は内蔵型EVFの装備だ。待望のEVFがついに! これはもう買わずにはいられなかった。

こちらは現在の常時携帯機であるRX100M3。「1年365日、首からブラ下げて持ち歩いていると、2年たたぬうちにこんな風格あふれる姿になってくれちゃうところもRX100シリーズの魅力」なのだそうだ

 EVFを使用するには「ポップアップさせて引き出す」という儀式が必要なのだけど、それもまた楽し。とかナンとかいっておりますが、いざフタを開けてみると、ポップアップさせるのはいいけれど、そのあとに引き出すのがけっこーメンドイという……(苦笑)。しかし、EVFがあるのとないのでは大違い。スローシャッターを切るときなどには大活躍なのであります。

 ちなみにM3は、操作性&利便性も初代やM2とはベツモノに進化。個人的には、撮影モード「M」時にISOオートが使えるようになったところとAFフレーム枠のサイズを変更できるようになったところを高く評価することとなり、初代はそのままの追加購入にも大満足でM3とともにここまで歩んできている。

グッと沈み込むシャドー内の描写も非常に丁寧だ。普通に使っている限り、画作りに不満を感じることは、まずないといっていい(ISO400、1/500秒、F4.0、-2EV露出補正)

 ってことは、M4は購入せず? 察しがいいねぇ。その通り。「飛び石購入」たるゆえんだ。新たに搭載された積層型センサーが生み出す種々の“効果・効能”は、RX100というサイズ感優先の高級コンデジではなく、高倍率ズーム搭載のRX10シリーズが担うべき機能向上であると判断、そのタイミングではRX100M4ではなくRX10M2を購入することになっている。本格的な望遠レンズが備わっていないと、あのセンサーの旨味は引き出しきれないと判断したのだ。

積層型CMOSセンサーがもたらす速写性能は、倍率の高いズームレンズを搭載する「RX10」シリーズでないとフルに発揮できないと分析する落合カメラマン
RX100M4と同じ1型の積層型CMOSセンサーを搭載したRX10M2を使い、疾走するオートバイを真横からカメラ固定で撮影。いわゆる動体ゆがみがほぼ感じられない仕上がりが見事だ(ISO6400、1/8000秒、F2.8)

■RX100M5の性能はコンパクトデジカメ最強との認識だが、購入をためらう

 というワケで、ココでこんなコトをいうのもナンだけど、RX100M5にも正直ココロはあまり動かされていなかったりする。24-70mm相当のレンズでAF追従最高24コマ/秒のスペックを使い倒す自信がないし、「連写時のブラックアウトを低減」とかいわれても、RX100シリーズのキャラクターでそれをありがたい進化であると実感できそうにはないからだ(あくまでも個人的には、ね)。

 ただ、実際に使ってみると、RX100シリーズとしては断トツに新しいAFと、最高約24コマ/秒の超高速連写を組み合わせて無造作に切り撮るスナップ撮影をしているときの感触がヒジョーに小気味よいのは確か。これは、いままでのコンデジでは絶対に味わうことのできなかった“快速爽快な撮り心地”だ。ついでにいうなら、ブラケット撮影がナニゲに超高速でこなせちゃうのも、やってみりゃ分かるけど案外ウレシイもの。ちなみにワタシは、富士フイルムの「FUJIFILM X-T2」が持つ高速性にも同じ印象(動体を追うためではなく各種ブラケット撮影を素早くこなすための高速連写であるとの認識)を持っている。

[注]ブラケット撮影は露出やフィルムシミュレーションなどの設定を1コマごとに自動で変えながら撮影する機能のこと。露出を1枚ずつ自動的に変えて撮影する機能は「AEブラケット」と呼ばれる。

適正露出(ISO3200)
露出アンダー(ISO2000)
露出オーバー(ISO5000)

 上の写真はRX100M5を使い、歩きながらスパパパッとAEブラケットで撮影した例。絵柄の変化から連写速度の速さがお分かりいただけると思う。撮影モード「M」での撮影なので、露出調整はISO感度の上下で実行されている(M+ISOオートができるようになったのはRX100M3から)のだけど、そのISO感度が思いっきり高感度領域なのは、ドン曇りの下「ブラさない、ボカさない」を優先すべく「絞りf4の1/1000秒」という設定で撮影したため。というワケで、各カットでISO2000、ISO3200、ISO5000の画質をお楽しみ(ご確認)いただくこともできまーす(?)。

 画質だけを見るなら、初代でもいまだまったく不満は感じないという驚きの現実を前にすると、最新のM5に対し軽い気持ちで“買い”の判断を下すわけにはいかないというのが正直なところではある。価格が価格なので、前述の「小気味よいポイント」だけで購入を決意するのには相当な勇気がいるのだ。でも、コンデジとして最強のスペックを持つ小さな巨人であるのは確か。ソコにほれたら“買い”でしょうな。

 ただねぇ。個人的にはやっぱり「RX10M4」(?)待ちかなぁ……。RX10シリーズはすでに3台持っているんで(要するに歴代のモデルを全部買っているということ)、もうこれ以上は増やしたくないんだけど、RX10シリーズにもし万一RX100M5と相似のスペックが載ったら、何も考えずに買っちゃいそうなんだよねぇ……(苦笑)。

落合憲弘
 プロカメラマン。街中スナップ大好きのしがない写真撮り&物書き。「より自分にピッタリの一台を追い求める」という都合の良いイイワケのもと、年間5~10台のデジカメを購入するハメに陥りつつ、青息吐息で現在に至る。カメラグランプリ2017選考委員。

[日経トレンディネット 2017年3月31日付の記事を再構成]

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