みりん干しと、文化干しの違い そもそもなぜ「文化」
青魚(5)
前回みりん漬けの話が出たが、みりん干しとも言う。では「文化干し」は?
ほうほう、そう言われてみればセロハンで包んだ干物には「文化」の文字が。気が付きませんでした。
でも大阪の文化住宅や文化包丁はセロハンに包まれていない。
怒濤の青魚メール。
お刺身を、周囲に残ったツマの細切りの大根ごと小鍋に移します。そこに日本酒をドボドボ、そしてみりんあるいは砂糖、しょうゆを入れ、煮立ったところで溶き卵をまわしいれて半熟になったら火を止めます。刺身を肴に晩酌したあと、締めくくりに、このじふをおかずにご飯を食べていたものでした(スペイン在住 三重県紀伊半島出身 トマトンさん)
このような家庭の食べ物であるから「じふ」を店で食べるのは難しい。岡山県の日生で「サワラの炒り焼き」を食べたが、これがすき焼きのたれでサワラを煮たものであった。
でも根本的に「じふ」とは違うものである。「じふ」は魚が煮えるときにでる音から付いた名との説がある。
今から考えるに、食べ盛りの子供3人をかかえた家計の苦しい母が、当時高かった肉のかわりに安いサバを発作的に使ったのではないか、そして意外においしかったのでリピーターと化したのではないか、というのが私の想像です。それでも「なぜにサバ?」の謎は残ります(きっきさん)
紀伊半島ではないところにも魚のすき焼きはあった。ほかにもある?
「さしつけ」についてはそれぞれで検索を。卵はつけないが作り方と食べ方は、まさにすき焼き。
ただ使っていたのが普通の酢(一般に食用で販売されているもの)では酸が弱いというので、わざわざ薬局で酢酸を買ってきて使っていました。
それに漬かるイワシも白っぽくなってしまい、どうみても食べ物には見えなくなってしまっていましたが、慣れると妙にこれが美味いのです(月潟生まれさん)
酢酸!! 台所ではなく理科の実験室?
内陸部の新庄盆地で青魚? といった感じを受けるかもしれませんが、干物ではなく生魚を串刺しで焼いています。なんでも、雪解けごろになると北前船の寄港地・酒田から最上川をのぼって運ばれ、「春告魚(=カド)」と呼ばれたとのことです(あがきた@新潟さん)
楽しそうなイベントである。昨年のゴールデンウイークは津軽そばの取材で花の盛りの弘前にいた。そのころの新庄も花見の季節だそうである。ならば行ってもいいかも。
カドと小浜の焼きサバの対決を見てみたい気がする。
食べたかー。多分、今月末に大分に行く。ゴマサバは大分では「りゅうきゅう」と名を変える。そしておなじ「りゅうきゅう」でもお茶漬けにする別バージョンもある。どっちも好き。食べるぞ。
ここら田舎では日本のサバ缶やイワシ缶は手に入りませんが、そのかわり酒の肴でよく食べるのはどこのスーパーでも売っているオイルサーディンです。こいつのオイルを半分ほど捨てて、しょうゆとレモン汁をひと垂らし。ほんの少し唐辛子を振って、缶ごとぐつぐついうまで火にかけます。缶ごとが肝心。ビールや辛目の白ワインに絶品ですよ(小樽出身者さん)
アメリカの皆さん。サバやイワシを食べてEPAやDHAを摂取しましょう。でもいくら寿司がヘルシーとはいっても昼飯に3人前食べるのはやめましょう。それから寿司を食べたあとにデザートとしてアイスクリームをバケツ1杯食べるのもやめましょう。
ワシントンのお寿司屋でそんな光景を見て、ひっくり返ったことを思い出した。
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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